山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

瑞牆山のカモメランは消滅してしまったのか?  令和4年6月15日

2022年06月19日 | 山に咲く花
 瑞牆山のカモメランが数年前から咲かなくなってしまっているが、昨年は葉も見つからなくなってしまったらしい。本当に無くなってしまったのかどうか、花仲間とともに探しに出かけてみる。


    渓谷沿いに咲くクリンソウはずいぶん数が減ってしまった。鹿の食害もあるだろうが、気候の変化で渓谷の湿地が狭くなったのが原因と思われる。


    しっかりと咲いている場所もある。


    ヤマキケマン。岩の上を好んで生育しており、結構見かける。


    ジガバチソウはこの山では初めて見た。


    ユモトマムシグサが少しだけ生えていた。


    咲き終えたミヤマザクラ。花柄に小さな葉が付いている。


    オガラバナ(カエデ科カエデ属)であろう。初めて見る木と花。


    コミネカエデの花。

 さて、1ヶ所目のカモメラン生育地に到着し、探してみる。かつてはサンリンソウやヒメイチゲがたくさん生えていた湿地のような場所だったが今は苔が生えるだけのすっかりと荒れた場所になってしまっている。


    カモメランと思わしき葉を発見。


    数は少ないが残ってはいるようである。だが元気が無く咲きそうもない。

 さらに2ヶ所目の生育地を探してみる。


    こちらにも葉は残っている。


    花はひとつも見つからない。


    イチヨウランが咲いていた。


    別の場所に咲いていたイチヨウラン


    キソチドリもそこそこに生えている。


    富士見平小屋の周辺にはヤエガワカンバが結構生えていた。

 カモメランの葉は一応確認出来たが、森の様子が以前とは全く変わってしまっており、かつては茂っていた下草が鹿の食害によるものか、全く無くなってしまっている。カモメランは水の流れる湿地の周辺に生えているので湿度が無くなってしまったから減ってしまったのではなく、下草が生えなくなった環境の変化でラン菌の活性が落ちてしまったのが原因ではないかと予想している。柵で囲ってやれば、ひょっとしたら回復して来る可能性もあるのかも知れないが、国立公園の中という縛りがあって簡単に手を出せるような場所では無い。

 場所を移動してハシドイの生えている森を訪れてみる。


    ハシドイの木。看板が付いていてすぐに発見できたのは良かった。


    しかし、背の高い木で下から見上げても花が見えない。双眼鏡で見てみるとまだ蕾のようである。


    ちょっと変わった木が生えていた。先端部が3分裂するこの木はオヒョウの木。


    大きなオヒョウの木。


    森の中にはヒトツバテンナンショウが生えていた。


    大きな収穫だったのがこの草、サワルリソウ。もうすぐ花が開きそうである。


    シダも見て回ってきた。真っ直ぐに立ち上がっているのはヒメシダであろう。


    一方株立ちして斜めに生えているのはメニッコウシダと思われる。


    小型のシダの大群落


    大き目の丸いソーラスが着き始めている。これはヤマヒメワラビであろう。

 出発の時は小雨が降っていてカッパを着て傘を差しての探索となったが、お昼頃に雨は上がってくれた。十分な探索とは言えないであろうが、ひとまずはカモメランが残っていることは分かった。このまま放置すれば、いずれは消滅してしまう運命なのではないかと思う。

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ハシバミの生育する山を散策  令和4年6月13日

2022年06月19日 | 山に咲く花
 山渓ハンディ図鑑に掲載されているハシバミの写真は撮影地が忍野と書かれている。詳細な場所は分からなかったが、花仲間がこの樹の生育地を知っていて教えてくれた。他にも見たい花が何種類かあって、近々行ってみようと思っていた場所である。翌日が富士吉田に出張の予定で、その際に立ち寄ろうと思っていたのだが天気は雨になりそうである。そのため、天気の良いこの日の午後に行ってみることにした。


    樹林の中ではコアツモリソウが見ごろになっていた。


    白花のコアツモリソウにも出会えた。


    別株。誰が名前を付けたか、シナノコアツモリと呼ぶらしい。


    シナノコアツモリの花


    サワルリソウが花を咲かせていた。


    サワルリソウの花


    花の奥まで見るのはなかなか難しい。


    草むらの中に生えているヒメイズイは既に散ってしまっていた。


    少し残っていたヒメイズイの花


    背の高くなるスズムシソウはまだ花穂が少し伸びただけだった。


    葉の真ん中に紫色の斑がある樹があった。


    葉の先端が尖っており、これはツノハシバミのほうであろう。


    今度はそれらしい樹を発見した。


    亀の尻尾のような独特の形の葉、今度はハシバミで間違い無さそうだ。


    若い葉は葉の真ん中に紫色の斑が入る。


    背の低いものがたくさん生えている。枯れてしまったような樹が残っており、おそらくは野焼きの火で焼けてしまったところに若い樹が育っているのであろう。


    見たかったこの花はちょうど満開になっていた。


    フナバラソウ。広い草原の一角に生えている。

 ハシバミはヘーゼルナッツと同じ種類の木で、実はおいしいらしい。食べる目的ではないが、どんな実が成るのか見てみたかったのだが、時期が早かったのかそれらしい実はひとつも見つからなかった。春早い時期に葉を出す前に花を咲かせるはずである。来年の春に花を見に来てみたいと思う。


    なかなか発見出来なかったこの花、日没の頃にようやく出会えた。


    白花のサイハイラン。何故か葉が付いていない。周辺を探したが普通のサイハイランは見当たらない。

 
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