山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

芦川スズランの森を散策  令和4年6月9日

2022年06月15日 | 山に咲く花
 予定ではカモメラン保護柵の修復と個体数を見に行くはずだったのだが、登山口の近くまで行くと空模様が急に怪しくなってきた。真っ黒な雲が広がり、一発だけゴロッという雷鳴が轟いた。山の稜線には雲がかかっていてあまり良い状況とは言えない。ここは登るのをあきらめて低いところを散策したほうが無難であろう。行き先変更し、芦川スズランの森の花を見に行ってみる。


    途中の林道脇に咲いていたサンショウバラ


    大きなピンク色の花を咲かせていたが、少し痛んでいた。


    芦川スズランの森。管理人さんに挨拶したかったのだがこの日は小屋は休みだった。


    アヤメが咲いていた。


    咲き残っていたスズラン


    マイヅルソウの花


    ササバギンランは咲き始めでまだ背が低い。


    ウマノアシガタがたくさん咲いていた。


    クサタチバナはまだ咲き始めたばかりだった。


    細い葉のキジカクシ。アスパラガスとそっくりである。


    葉柄の腋窩にもうすぐ咲きそうな小さな花が付いていた。ユリ科からキジカクシ科に分類が変わったらしい。


    ツルシロカネソウの群落。花がほとんど見当たらない。


    別の場所に咲いていたツルシロカネソウ。この森の生育場所は日当たりが悪く花があまり咲かないようである。


    もうすぐ咲きそうな白い花。葉の形から見てこれはミツバウツギであろう。


    ヤマボウシの花。葉の形は同じ科のミズキやハナミズキに良く似ている。


    これはカマツカの花ではないかと思う。


    似たような花が何種類かあり、あまり同定に自信が無い。


    赤いウツギの花が咲いている。


    この手の赤いウツギはベニバナニシキウツギだと思い込んでいたのだが、どうも違うようである。


    花を拡大して見てみると、花弁にも毛が生えている。これはヤブウツギであろう。


    保護柵の中のオオヤマサギソウを見てみる。順調に大きくなっているようだが、個体数がずいぶんと少ない。まさか盗掘?と思ってしまう。


    保護柵の外には昨年以上に葉が出ている。


    しかし、食害に遭ったと思わしきものが数株ある。今後の様子では保護柵をもうひとつ設置する必要があるかも知れない。

 あまり目ぼしい花は見つからなかったが咲き残りのヤブウツギの花はしっかりと確認出来た。オオヤマサギソウの保護柵は管理人さんと相談しながら今後の保護について考えて行きたいと思っている。

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レンゲツツジ咲く甘利山  令和4年6月8日

2022年06月15日 | 山に咲く花
 甘利山のレンゲツツジがそろそろ見ごろを迎えている頃だと思う。富士山は姿を見せていないようだが、夕暮れ時にひょっとしたら雲間から姿を見せてくれるのではないかと期待して見に行ってみる。


    甘利山のレンゲツツジ。もうすぐ満開である。


    甲府盆地を見下ろすレンゲツツジ


    雲が多くて富士山は姿を見せてくれない。


    この木はミヤマザクラだと思っていたのだがそうではないようである。


    正体はアズキナシのようである。八ヶ岳で見たものも同じものかも知れない。


    シラカンバの木


    シラカンバの葉。幅が広くて正三角形に近い形。


    ダケカンバの木


    ダケカンバの葉。野球のホームベースを細長くしたような形で葉先がやや細長くなる。


    ハルガヤ。平地のものに比べると背が低くて小型である。たくさん生えている。


    ハルガヤの穂。ミヤマハルガヤと区別するには本当は分解してみないと分からない。


    ヤマスズメノヒエだと思う。


    コメガヤがたくさん生えている。


    ウシノケグサだと思う。


    甘利山山頂。日没が迫り少し寒い。もう誰も居ない。


    富士山を期待したがさらに雲が増えてしまった。ここまでで撤退する。

 甘利山のレンゲツツジはあと数日で満開になりそうである。満月が近く、富士山が現れれば月光のレンゲツツジも楽しめそうである。

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高層池の周辺を散策  令和4年6月8日

2022年06月12日 | 山に咲く花
 5月にも訪問しており、その際に池のほとりでカラコギカエデと思わしき葉を見ている。まだ葉が若くて十分に展開していなかったが、そろそろ葉を広げている頃だろう。期待して見に行ってみると、その木はズミだった。切れ込みのあるズミの葉をカラコギカエデの葉と見間違えたようである。いきなりガッカリしてテンションは下がってしまったが、折角なので池の周辺を散策してみると、以外にも新しい発見がたくさんあった。


    毎年何度も訪問している高層池


    池のほとりに白い花が咲いている。


    ガクアジサイのようだが葉の感じが違う。


    周辺の装飾花は5裂している。注目すべきは葉が中間あたりまで3裂していてさらに鋸歯があることである。これはカンボク(スイカズラ科ガマズミ属)の花。

 咲いているのは以前にも見ているがさほど気にも留めていなかった白い花であるが、調べてみるとカンボクというやや珍しい花のようである。本州では中部地方の内陸部以北から日本海側に分布しており、関東地方以西の太平洋側には分布していない。こんな花があったことにちょっと驚かされた。


    カサスゲの穂が出ている。あまり穂を出さない草だが、この場所はたくさん出ている。


    カサスゲの花序。頂部が雄小穂、下が雌小穂である。雄小穂は痛み易く、千切れていることが多い。


    雌小穂を観察してみる。鱗片は小さくてほとんど見えない。成熟した果胞は波打って横縞模様が入る特徴がある。


    ハクウンボクの花が満開になっている。


    垂れ下がって咲く純白のハクウンボクの花。美しい。


    黄緑色の花が付いている。


    リョウブの花。まだ花は開いていないようである。


    バラの花が咲いている。


    たぶんノイバラであろう。


    ヤシャブシの仲間。葉の幅はやや広い。


    実


    幹には横縞が入り樹皮は剥がれない。これはオオバヤシャブシであろう。


    別の池に行ってみる。水量は少ない。


    ヌマハリイ


    たぶんホタルイ


    カサスゲの大群生


    モリアオガエルの卵


    さらにもうひとつの池に行ってみる。この沼底には藻がたくさん生えている。


    PLフィルターで湖面の反射を除きながら撮影してみる。葉の細い藻がたくさん生えている。


    トリーミング画像。これはイトモかツツイトモではないかと思う。昨年別の池で花の咲くのを見たくて何度か通ったが、とうとう花は見られなかった。


    蔓性の植物のことはほとんど知らない。このあたりに珍しいものが生えていたという話を聞いたことがある。


    ひょっとしてこの葉はコカモメヅルの葉ではないだろうか? 花期は7月中旬か下旬ごろだろう。再訪して確認してみたいと思う。

 カラコギカエデは見間違えで他に無いかどうか探したが見当たらなかった。その代わりにカンボクやハクウンボクの花など、別のものに出会うことが出来た。イトモやコカモメヅルと思わしき植物など新しい発見もあり、今年もこの池に何度も通うことになりそうである。
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山中湖周辺を散策  令和4年6月7日

2022年06月11日 | 里に咲く花
 出張で富士河口湖町にやって来た。前日の冷たい雨は富士山では雪だったようで、6月だというのにまた富士山が白くなっている。午後まで天気が持つことを願っていたのだが、お昼前には雲の中に隠れてしまった。午前中に仕事は終わり、2週間ほど前にも一度訪問している山中湖を再訪してみる。前回はまだ咲いていなかったコキツネノボタンがそろそろ咲いている頃であろう。


    見ごろになっていたコキツネノボタン


    キツネノボタン(右)とコキツネノボタン(左)が並んで咲いている。コキツネノボタンは葉の幅が狭い。


    キツネノボタンの瘦果は球形で突起が長い。


    コキツネノボタンの瘦果は楕円形で突起は短め。


    コキツネノボタンの花


    コキツネノボタンの瘦果


    コキツネノボタンの茎には毛が多い。


    小型のものが多いが、数は結構あった。


    しかし、生育している場所は限られていた。


    カヤツリグサ科の植物も見て回る。これはヤガミスゲ。群生ししばし大株を形成する。


    ヤガミスゲの花序。柄の無い小穂を多数付ける。


    アゼナルコ(右)とヤガミスゲ(左)。いずれも普通に生えている。


    スジヌマハリイは成長してだいぶ背が高くなっていた。茎の一方に稜があるのが特徴で、茎を触ると容易に判別出来る。


    たぶんオニナルコスゲ


    雌小穂を良く見てみると鱗片が茶色い。オニナルコスゲで間違いないと思う。


    やっと見つかったカヤツリスゲ。小型で数が少ない。


    コキツネノボタンを観察していたらその脇に少し大きめのカヤツリスゲが生えていた。


    カヤツリスゲ。山中湖で昨年から探していたが、ようやく出会うことが出来た。ジョウロウスゲは見つからない。


    湖畔に生えている(植えてある)樹木も見て回る。これは前回も見たフジサンシキウツギと思わしき花。萼の周辺に毛が生えている。


    サンショウバラ。既に散り気味である。


    サンショウバラの花。大きくて美しい。


    昨日の美ヶ森界隈にも同じような花が咲いていた。


    雄しべが長くて華やかである。たぶんサワフタギだと思う。夏から秋ごろに青い実が確認出来れば確実であろう。


    あちらこちらで普通に見かけるこの樹。やや高いところに多いようである。


    実がたくさん付いている。


    これはケヤマハンノキと思われる。八ヶ岳でもたくさん見かけた。


    赤い実がたくさん付いている。実の翼を拡大して見てみると広いV字型に開いており、オオモミジではないかと思う。イロハモミジは翼がほぼ水平に開く。

 午後5時を過ぎるといよいよ小雨が降り出してしまった。もう1ヶ所、田んぼの中にある湿地を訪れたかったのだが行けるかどうか?現地近くまで車で移動すると少し小降りになってきたので傘を差して観察に行ってみる。


    タコノアシの若い葉


    ミソハギという植物を探しているのだが、こんな感じではないかと思う。


    拡大して見てみると、これは葉に鋸歯がある。探し物のミソハギでは無さそうである。花が咲くのを待とう。


    見ておきたかったのは用水路の底に生えているこの水草。水面が反射して良く見えない。


    用水路の蓋の下で反射しないところを狙ってみる。


    葉が細い。イトモではないかと期待しているのだが全く確信は持てず。花が咲くのを確認したら、1本引き抜いて観察してみたいと思う。

 水草の仲間もまだほとんど手付かずの状態である。分かるのはバイカモくらいだろうか。水の中でゆらゆらと揺れている水草を見極めるのはきわめて難しいように思える。

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美ヶ森の樹木散策  令和4年6月5日

2022年06月10日 | 樹木類
 今年の5月にエゾノコリンゴを観察に行った美ヶ森周辺であるが、その際にまだ葉が出ておらずしっかりと同定が出来ていなかったヤエガワカンバと思わしき木を確認したいと思い、再度美ヶ森を訪問してみる。既にエゾノコリンゴの花は終わっているはずで、それよりも花期が遅いズミが咲いている頃だと思う。


    まずは準備体操。美ヶ森駐車場の脇に生えていたこの木は樹皮が白くてシラカンバであろう。


    葉を確認する。形は三角形に近く、辺縁は鋸歯状だが波打つように大きな突出がある。


    白い花をたくさん咲かせた木があった。葉は桜の葉のように見える。


    これはミヤマザクラという桜の仲間。他の桜に比べて花期が遅い。


    幹は桜らしからぬ樹皮をしている。普通は横縞が入るらしい。


    見に来たのはこの大きな木。同じ木が他にもたくさん生えている。


    幹を見ると樹皮が剥げ落ちている。ヤエガワカンバで間違いないであろうが、乙女高原で見た大木とは少し感じが違う。幹の太さで変わるのかも知れない。


    樹林の中で見たヤエガワカンバ。幹や枝の樹皮が剥げている。


    幹の樹皮剥げ落ちておりヤエガワカンバで間違い無いようである。


    葉を観察する。スマートな長楕円形をしており、辺縁は鋸歯状である。シラカンバのような脈打つ感じは無い。

 ヤエガワカンバは樹皮が剥げ落ちるのが特徴だが、それだけでは確信が持てなかった。葉を確認してみると乙女高原で見たものと同じく辺縁が鋸歯状のスマートな楕円形をしており、ヤエガワカンバで間違い無いようである。山梨県では絶滅危惧種に入っている貴重な樹木であるが、美ヶ森の草原の中だけでなく、樹林の中にもたくさん生えていた。


    葉に光沢があり、これはガクアジサイであろう。


    咲き始めたばかりの白い花。たくさんある。


    花弁は5枚で円形、雄しべがたくさんある。葉はザラつく感じでやや硬め、細かい鋸歯がある。これはカマツカ(バラ科カマツカ属)であろう。


    近くに咲いていたこの花は雄しべが長くて賑やかな感じがする。葉の表面も違う。これはサワフタギ(ハイノキ科ハイノキ属)になるのか?もう少し検討が必要。


    満開のズミの木


    ズミの花


    切れ込みのある葉が付いていた。これが確認出来ればズミと分かる。良く似たエゾノコリンゴは切れ込んだ葉は付かない。


    こちらが1輪だけ咲き残っていたエゾノコリンゴ。


    ほとんどが既に実になっていた。葉の感じはズミよりやや大きくて厚め、鋸歯がやや赤みを帯びている。


    初めて見るシナノキ


    シナノキを見上げる。


    ボダイジュの仲間なので葉はハート形をしていると思っていたのだが、この木はそうではない。鋸歯も無く、本当にシナノキか?と思ってしまう。


    もうすぐ咲きそうな花。シナノキは普通は垂れ下がって咲くと思うのだが・・・?これはミズキか??


    湿地を訪れてみる。ミズバショウの葉がたくさん。


    湿地の近傍にはクリンソウが群生していた。


    サクラソウも咲いていた。


    ヤマドリゼンマイ


    オニゼンマイ


    満開のレンゲツツジ。富士山が見えないのが残念である。


    黄色いレンゲツツジもあった。

 以前は花散策といったら道の傍らや草むらの中など、下を向いて歩いていることが多かったが、樹木を見るようになってからは上を向いて歩くことが多くなった。少しは進歩したと思うのだが、まだ同定できる樹木はやっと5割を超えたくらいではないかと思う。なんとか7割のレベルまで上げるのが今年の課題である。

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残っていた川俣川東沢のヒラギシスゲ  令和4年6月5日

2022年06月10日 | 渓谷
 昨年何度か訪問してようやく発見した川俣川東沢のヒラギシスゲであるが、個体数が少なくおそらく発見した個体は上流から流れ着いてその場所に生着したものと考えている。どこかに群生している本体があるのではないかと探しているのだが見つかっていない。今回は昨年発見した場所に今年も生えてくれているのかを確認に出かけてみた。その他にもまだ見慣れていない樹木やイネ科、カヤツリグサ科の植物などが多数あり、いろいろと見て巡ってきた。


    フジの花が満開になっていた川俣川東沢渓谷


    これは良く見かけるイネ科の植物。


    茶色い葯が見える。これはスズメノテッポウ。良く似たセトガヤは葯が白い。


    これもイネ科の植物


    カニツリグサではないかと思うのだが全く自信無し。


    これもイネ科の植物。イネ科植物は田畑の畔や土手というイメージがあったが、渓谷沿いにも何種類もイネ科の植物が生えていることを知った。


    これはイチゴツナギか、その仲間であろう。いよいよイネ科は小穂を分解してみないと分からないかも知れない。


    見慣れてきたカヤツリグサ科はまだ分かり易いかも知れない。


    川俣川東沢で最も普通に見かけるスゲ、ナルコスゲ。水際を好んで生育し、しばしば群落を形成している。


    ナルコスゲの群落


    テキリスゲも普通に生えている。雄小穂が頂部に独立して着くが、良く似たアゼナルコは雌の下に雄が着く雌雄小穂であるところで区別出来る。


    大型のテキリスゲ。


    これはヒゴクサか、それともオニナルコスゲか?


    ヒゴクサにしてはやや大型に見える。


    雌小穂を良く見てみると鱗片は黄緑色をしている。オニナルコスゲは茶色いはずなので、これはヒゴクサであろう。


    昨年と同じ川の流れに穂が着くような場所にヒラギシスゲが生えていた。


    川の中州にも昨年と同じ場所にヒラギシスゲが生えていた。


    良く流されずに残っていたものである。


    先端部が雄小穂で黒っぽく、下が雌小穂。鱗片は幅が広くて黒茶色、果胞よりやや短い。


    良く似ているがこれは別のスゲのようである。


    果胞が細長くて雌鱗片も細くて長い。これはタニガワスゲと思われる。


    川岸の水たまり脇にヒロハコンロンソウが生えていた。


    コンロンソウに似ているが葉の幅が広くて切れ込みがある。


    成長して背が高くなっているが・・・


    コテングクワガタと思われる。


    川辺に生えるタネツケバナ。低地で見るものとは茎が緑色で少し違って見える。


    オシャグジデンダが生えていた。


    光沢の無いノキシノブの仲間、ミヤマノキシノブ。


    ヒメウツギが咲いていた。


    ミズキの花


    カマツカか、サワフタギか?葉の形をもう少し良く見て来るんだった。

 ヒラギシスゲは流されずに今年も生えてくれた。来年も生えてくるようならば、生着していると見て良いのではないかと思う。まだ分からない植物がたくさんある。

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南部町あちらこちら  令和4年6月2日

2022年06月08日 | 渓谷
 南部町の渓谷沿いに咲く着生ランが何種類か見ごろになっている頃だと思う。それと、一番気になっているのが昨年見つけたムヨウランと思わしき葉緑素を持っていなランである。高尾山では咲き出しているようなのでこちらでも咲いているかも知れない。何ヶ所か散策してみる。


    渓谷の岩壁に生えているこのシダ、ヒメサジランではないかと思うのだがまだソーラスが確認できていない。


    大きさは昨年とあまり変わっておらず、残念ながらソーラスは付いていない。先端が尖っており、幼弱なサジランかも知れず、ソーラスが着くのを待っている。


    期待していたムヨウランと思わしき菌従属栄養植物は何も出ていない。まだ早いのか、それとも今年は出ないのか?


    林道周辺を散策してみる。白い大きな花が咲いている。


    超望遠レンズで覗き込んでみる。満開のホオノキだ。


    こちらは雄しべ(?)が落下し始めていて花弁の上に落ちている。


    テイカカズラは少し痛み気味


    ウツギの花がたくさん咲いていた。


    この葉はフサザクラだと思う。


    この木もたぶん何度も見ているだろうが気にかけていなかった木。


    ウリノキ。黄色っぽい花がぶら下がっている。


    これはイタヤカエデと思われる。緑色の実がたくさん付いている。


    お目当ての着生ランはこの黄色い花。


    マメヅタラン。ちょうど満開である。


    周りの木の枝が伸びてだいぶ見にくくなってしまった。


    この大きな塊は樹皮が剥げて丸くなっているようである。落下してしまわないことを祈るばかりである。


    もうひとつの着生ランはこのムギラン。テイカカズラと一緒に生えている。


    青々としたムギランの葉。全体的には少し減った気がする。


    同じ木の別の場所。


    トリーミングして見ると、小さな花が咲いているようである。


    次の場所に移動する。見に行ったのはこのヨウラクラン。


    少し時期が遅かったようで、だいぶ散ってしまっている。


    咲き残りをマクロレンズで撮影するが、暗い場所なうえに風で揺れてなかなか撮らせてくれない。


    さらにもう1ヶ所。大きなイチョウの木を訪れる。


    イチョウの木に着生したマツバラン。胞子嚢をあまり付けておらず、あまり元気が無いように見える。

 いちばん見たかったムヨウランは残念ながら生えていなかった。周辺を念入りに探してみたがそれらしきものは見当たらない。気まぐれな菌従属栄養植物のランなので、そのうちひょっこりとどこかに生えてくるかもしれない。午後からの訪問だったがそれなりに効率良く散策できたのではないかと思う。

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乙女高原のヤエガワカンバ  令和4年6月1日

2022年06月04日 | 山に咲く花
 みみ石から下山してきたのは午後4時を過ぎていた。しかし日が長くなったのでもう少し植物観察は可能である。ここから乙女高原までは1時間はかからないはずである。そろそろ見たいと思っているヤエガワカンバの大木が新緑の葉を付けている頃であろうし、湿地に生えるスゲも見ごろを迎えているであろう。乙女高原に移動する。


    移動途中の林道脇岩壁に黄色い花がたくさんぶら下がっていた。


    キバナウツギ。先日三ツ峠に見に行ってきたばかりである。


    痛み始めている花がほとんどだったが、まだ十分に見られる。


    10本以上は軽く生えていた。


    白い花を付けた大きな木が何本も立っていた。


    これはウワミズザクラ。満開で真っ白、見事である。


    ウワミズザクラの花。サラシナショウマのようである。


    葉の辺縁には鋸歯がある。


    乙女高原の草原に到着。ズミの花がたくさん咲いている。


    手前の大木と奥に生えているのがヤエガワカンバ。この草地内には大きなヤエガワカンバが何本も生えている。


    樹皮は剥がれ落ちるのが特徴。


    もう1本のヤエガワカンバの大木


    樹皮。もっと薄く剥がれ落ちるイメージを持っていたが、大木になると大きく剥げるようである。


    枝を見上げるが、太い枝も樹皮が剥げている。


    葉はスマートな形をしており、辺縁は不規則な鋸歯状である。


    こちらはダケカンバ。樹皮はヤエガワカンバほどは剥がれ落ちない。


    葉の形はヤエガワカンバに比べると丸っこい。


    咲き始めたレンゲツツジとシラカンバの白い幹


    ヤマドリゼンマイとシラカンバ


    シラカンバの葉はやや幅が広く、辺縁は脈打つような不規則な鋸歯状である。


    見ていると思うが何だか分からなかった低木


    これはツノハシバミの木だった。

 時刻は6時になり、少し薄暗くなってきた。まだ咲き残ったサクラスミレや他の花もあったのだが、時間が足りず急いでスゲが生える湿地に移動する。


    見たかったのがこのスゲ。


    アカンスゲ


    山梨県ではこの周辺でのみ生育が確認されている。


    結実していてちょうど観察し易い時期だった。


    もうひとつ見ておきたかったのが花を咲かせているこのスゲ。


    頂部の薄茶色のところが雄小穂、下の白いところが雌小穂である。結実したところを良く観察しないと分からないが、これはオタルスゲであろうと思っている。


    これはナナカマドであろう。


    ナナカマドの花


    満開のズミの花

 他にも見たいものや探したいものがたくさんあったのだが、時間が足りず回り切れなかった。あと2週間もすれば見たいと思っているコハクウンボクという白い花が咲き出すはずである。また訪れてみたいと思う。

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甲府市に咲くシロヤシオツツジ みみ石再び  令和4年6月1日

2022年06月04日 | 山に咲く花
 4月下旬に一度登っている甲斐百名山のみみ石であるが、その時にはシロヤシオツツジは咲いておらず葉も出ていなかった。この時期だと花期にはもう少し遅いかも知れないが、確実に花を見ることは出来るはずである。シロヤシオツツジは山梨県の絶滅危惧種に入っている貴重な樹であるが甲府市に生育しているのはレッドデータブックの分布には載っていない。そのためなんとか今年のうちに見ておきたいと思っていた。今回はルートを変えて木賊峠から谷に下りて尾根に取り付くルートでみみ石まで行ってみることにした。まずは木賊峠まで車で行くのだが、ここに至るまでの道のりが結構長い。木賊峠の展望台に車を止めてその先にある尾根道を行ってみるが、どうも歩く方向が違う。GPSで位置確認するとこの道では無いようである。峠に戻って谷に下りる道を探して下りて行くが、道らしきものは無くガラガラの危ない急峻な谷を下りて行く感じである。


    木賊峠展望台から見る富士山。左側の丸っこい山が目指すみみ石の山塊。


    木賊峠に咲いていたウワミズザクラ


    ウワミズザクラの花


    少し珍しい木が生えている。


    幹の樹皮が剥がれ落ちている。


    おそらくこれはヤエガワカンバと思われる。


    みみ石に行くにはまず谷に下りる。ガラガラの谷を下りて行くが、下りよりも帰りが思いやられる。


    草の生えた傾斜の緩い場所に下り立つ。


    その先の支脈の沢に踏み跡らしきものがある。


    支脈の谷に大きなカツラの木が生えていた。


    赤テープがあるが、途中まででテープは消失。谷から抜け出して左手の尾根に取り付いてみる。


    尾根筋には比較的明瞭な道らしきものがあり、テープも付いていた。


    境界見出し標があった。あとは尾根通しに登ればみみ石まで行ける。


    大きなミズナラの木


    地面に白い花びらが落ちている。


    上を見上げればシロヤシオツツジの木。


    残念ながら少し遅かった。しかし花は確認出来た。この先の稜線にはたくさんシロヤシオが生えていた。


    傷んではいるが十分に見られるシロヤシオツツジの花


    まだ綺麗な花も残っていた。


    大きな木もたくさん生えていた。


    もう終盤であるが、今年はあまり花付きが良く無かったようである。


    シロヤシオの花


    見下ろすシロヤシオ


    ベニバナツクバネウツギが少しだけ生えていた。

 こんなところに登って来る人など居ないだろうと思っていたら、後ろから2人組が登って来た。見れば知り合いの山仲間だった。甲斐百名山を登り歩いているそうでこの日はみみ石を目指してやって来たそうである。ここにあるシロヤシオツツジのことは知らなかったそうだ。


    何だか良く分からないマツの木が生えている。


    大き目の松ぼっくりが付いており、葉は細めである。


    マツの木なのに樹皮はうろこ状ではなく、横縞が入っておりシラビソのような樹皮をしている。


    この木の正体は何?図鑑で調べる限りでは近いものはハイマツしか見当たらない。しかし、こんな大きなハイマツが存在するのだろうか??


    帰り道、谷を先行して登る山仲間の2人


    最後の急斜面はロープが付いているが、途中が切れそうに痛んでおりあまり頼りにはならない。

 甲府市にもシロヤシオツツジが生育していることが確認出来た。探してきたのは昨年この山に登った相棒のうーさんで、大手柄である。花付きの良い年に満開のシロヤシオツツジをこの山で見てみたいものである。

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イボタヒョウタンボク咲く八ケ岳観音平  令和4年5月31日

2022年06月03日 | 山に咲く花
 出張業務を終えて八ヶ岳の観音平に移動する。見ておきたいのはイボタヒョウタンボクとアラゲヒョウタンボクであるが、アラゲヒョウタンボクはもう花が終わってしまっている可能性が高い。観音平の周辺にはいずれのヒョウタンボクもそれなりの個体数があるらしい。午後1時半に到着したのだが、2日前のコロナワクチン4回目接種の副作用か、昨日よりも体が重くてだるい。30分ほど車の中で休んでから出発する。


    レンゲツツジが咲き始めていた。


    黄色い花が咲いている木があった。


    これはヒロハヘビノボラズ(メギ科メギ属)であろう。ミヤマシロチョウの食草になり、結構な個体数はある。


    もう1種類、これに似た木がある。こちらのほうが小型で葉が小さい。


    これはメギ(メギ科メギ属)であろう。こちらもそれなりの個体数がある。


    アイヅシモツケそれなりに数がある。


    ズミの花は散り始めていた。


    ベニバナツクバネウツギはまだ蕾が多かった。


    ベニバナツクバネウツギの花


    探していたイボタヒョウタンボクはあっさりと見つかった。


    イボタヒョウタンボクの花


    大きな木もある。個体数も結構あった。


    まだ蕾が多いイボタヒョウタンボクの花


    黄色から薄黄色の花が咲く。


    風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


    オニゼンマイの群生。このあたりでは普通に見られる。


    オニゼンマイの胞子葉


    こちらはちょっと珍しいカラフトミヤマシダ。葉の切れ込みが細かい。


    そこそこに生えているがあまり多いわけではない。


    雲海展望台。ここで折り返して周回する。


    富士山が見える。


    トウゴクミツバツツジは大部分が終わっていた。

 4時間ほど時間をかけて観音平の雲海展望台までのコースを周回してきた。最後まで体がだるくて体調がいまひとつだった。アラゲヒョウタンボクは簡単に見つかったのだが、もうひとつのアラゲヒョウタンボクは発見出来ず、それらしき個体も出会えなかった。これではないかと思って見てきたものは結実した実がひょうたん型では無くて1個しか付いておらず、どうやらミヤマウグイスカグラを見てきたようである。もう少し情報を集めて来年に期待したいと思う。

 帰り際の車道脇に白い花が群生して咲いていたので車を止めて見に行ってみる。


    白い花が群生して咲いている。


    これはアイヅシモツケと思われる。


    その周辺にはイボタヒョウタンボクがたくさん咲いていた。


    この白っぽい花を付けた大株も目を引いた。


    これはニワトコであろう。

 イボタヒョウタンボクは観音平周辺では普通に生育しているようである。

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釜無川河川敷の公園に咲く花 韮崎市  令和4年5月31日

2022年06月02日 | 里に咲く花
 出張で韮崎市に行ったのだが、集合時間を間違えて1時間ほど早く現地に到着してしまった。車の中で昼寝(朝寝?)でもしようかと思ったのだが、釜無川の河川敷に遊歩道が付いており黄色い花がたくさん咲いているのが目に付いた。カメラを持って40分ほど散策してみた。


    釜無川の河川敷に付けられた遊歩道と公園。黄色やオレンジ色の花がたくさん咲いている。


    この綺麗なキクの花はオオテンニンギクという名前らしい。


    いろいろ種類があるようだ。


    こちらは広範囲にたくさん咲いているオオキンケイギク。特定外来種に指定されている。


    小さな黄色いキクの花はブタナのようである。


    根生葉はタンポポの葉のように切れ込んでおり、辺縁に毛がたくさん生えている。


    ムシトリナデシコの群生


    外来種なのでこれで良いのかどうか?


    ネジバナが数本咲いていた。


    ニワゼキショウがちらほらと咲いている。


    ヒメジョオンの花。最近ようやくハルジオンとの区別が出来るようになってきた。


    ヒメジョオンの葉は茎を抱かない。一方、ハルジオンは半分茎を抱いている。


    チガヤ


    イネ科の雑草がいろいろと生えているのだが、分からないものばかりである。調べるのに一苦労である。


    たぶんこれはカモガヤであろう。花粉症の原因となる代表的なイネ科植物。


    ネズミムギであろう。短い芒が出ている。


    たぶんこれが成熟したネズミムギ。


    あちらこちらで見かけるこの草はシナダレスズメガヤと思われる。


    高速道路の斜面や造成地の斜面の土止めとして使われ、急速に増えたらしい。


    クサヨシと思われる。


    これはギシギシであろう。


    葉が脈打ち、柄が付いている。良く似たスイバは根生葉に柄があるが中間部の葉は柄が無く茎を抱く。


    クサフジがたくさん生えている。


    山梨市の河川敷で見たナヨクサフジと思わしきものに比べて色が薄い。上弁が反り返らずに上を向く程度である。

 河川敷に生えるイネ科雑草は種類が多く、良い図鑑を持ち合わせていないために調べるのに一苦労のうえに同定が間違っている可能性が高い。数を見て行くうちに、おそらくは次第に正確に見分けられるようになるであろうと期待している。

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満開のヒメシャガ三昧  令和4年5月30日

2022年06月01日 | 山に咲く花
 2週間ほど前に一度訪問しているヒメシャガであるが、まだ蕾でひとつも咲いていなかった。そろそろ咲いている頃だと思う。今回は前回とは別ルートから入山してみる。時間的には前回のルートよりも距離が遠くなるが高低差があまり無く体への負担は軽い。なにせ前日にコロナワクチン接種の4回目を行ったばかりで、発熱は無いもののなんとなく体がだるい。今回は体に負担をかけず、心拍数を上げずに歩いてみようと思う。藪歩きは禁!のはずだったのだが・・・。


    マルバウツギがたくさん咲いていた。


    こちらはコゴメウツギ


    コゴメウツギもそれなりに咲いていた。


    黒い実がたくさん成っている。


    幹の樹皮はひび割れて剥げ落ちている。


    残っていた雄花と実。葉の幅は狭く、これはヤシャブシと思われる。


    丸い実がたくさん付いている木


    エゴノキではないかと思う。


    蕾は何度も見ているが花が咲いているのは初めて見た。ハクウンボクの花。


    心拍数をあまり上げずにヒメシャガが咲く場所に到着した。


    まだ蕾が付いているものもあり、新鮮な花はちょうど見頃になっていた。


    清潔感のあるヒメシャガの花


    満開


    林道脇でそれなりの個体数が咲いていた。

 ぐるりと周回して戻るはずだったのだが、林道斜面の上のほうを見ると群落のようなものが見える。双眼鏡を取り出して覗き込んでみると大群落がある。しかしそこは道無き急斜面である。今日は心拍数を上げないように、藪歩きはしないつもりで来たので、眺めるだけで一旦は通り過ぎたのだが・・・やはりこの満開の状態の群落を見ずにはいられない。木の根っこにつかまりながら急斜面を登る。


    こんな大群落があったとは驚きである。


    見事に咲いてくれたヒメシャガ


    この斜面には他にもたくさん咲いていた。

 登った急斜面を下りるのはもっと大変なので、そのまま藪を漕いで稜線まで抜け、GPSで位置を確認しながら尾根の反対側の登山道に抜け出て下山となった。藪歩きも休憩しながら心拍数を上げないように歩いたが、やはり心臓はバクバクになってしまい、汗もかいた。予定外の藪歩きとなったが、驚くばかりのヒメシャガ大群落に出会うことが出来た。ワクチン接種翌日で心臓に負担をかけて不整脈を起こすのがいちばん心配だったが、時間をかけてゆっくり歩き、何事も無く戻ることが出来た。

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