おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

ちょっぴりミステリアスな空間発見

2011-06-23 23:52:44 | つぶやき
 あるところに、江東区内にある「富士塚」を写真入りで紹介したついでに、「意外にも墨田区内にはないようだ」と書きました。すると、それを読んだ方から「いや、個人の家の庭にあるそうだ」とそこの住所も調べてくれ、連絡がありました。
 それはとても興味深いことと、さっそくそのお宅を訪れることにしました。某私鉄駅の近く。事前に航空写真で調べると、たしかにこんもりした一角があります。しかし、同じ場所を昭和22年の航空写真で見ると、東京大空襲のせいでしょうか、一面の焼け野原。 痕跡もまったく残されていないようでした。すると、戦後しばらく経ってから「富士塚」として再建したのか、と。
 いずれにしてもますます興味深くなりました。住所からは、某小学校の裏手に当たります。そこに行ってみると、小さな公園になっていて、木は周りに植えられていますが、それらしいものは、何にも見当たりませんでした。
 航空写真ですと、すぐそばにも大きな屋敷があって、木に埋もれています。この付近には空き地すらなく、家が建ち並んでいます。それでは、と思い切って玄関の呼び鈴を押しました。中から「はい」とご婦人の声はしましたが、いっこうに開く様子がありません。
 玄関の脇からすぐ庭になっていて、こんもりした木々に覆われ、奥の方に向かって石段が続いています。はやる気持ちを抑えてしばらく待っても、中からは反応なし。すると、宅急便の配達が。品の良さそうな老婦人が出てきて、明るく、配達人とやりとり。
 一段落して切り出しました。「実は、このあたりに富士塚があると聞きまして・・・」「何ですか、富士塚というのは」「これこれというようなものですが・・・」「さあ、家の庭にはありませんよ」「戦前にはあって焼失、戦後再建したとか」「嫁いで40年になりますが、そういうことは、聞いたことがありませんね。それに住所が1番地、違っていますよ」「そうですか」「主人に聞いてみましょうか」「はあ」
 がっかりしていても、庭の奥を興味深くのぞき込んでいる私をみて、「どうぞ中に入ってご覧下さい」「ありがとうございます。では」
 ひんやりとしてうす暗い空気の中、石段をぐるっと回りながら進むと「そこには稲荷を祀ってありますよ」
 富士山信仰とお稲荷さん。浅間神社との関連はありますが、果たして・・・。それに、富士山を擬しているようにはなっていません。だらだらと少しずつ上っているだけ。富士山の溶岩とかもありません。ちょっと期待はずれ。
 下りかかると、小さな池には鯉が泳いでいます。その水辺を見上げると、高さ3メートル以上の直立した建造物が目に入りました。池側はすっぱと切り取られ、黄色く変色(着色)した「滝状」。裏手は、ごつごつした岩で形付けられて、ツタ状の植物が幾重にも絡まっています。ちょっとびっくり。富士塚とはいえませんが、何となく溶岩で固められたようす。これかな、と思った瞬間、ご婦人の声、「それは主人がこしらえたものです」
 その厳しい声にまたびっくり。写真を一枚撮って礼を言って帰りました。すると、中から男性の声で、「そういうものはない」と。
 暑い日差しを浴びて、喧噪とした通りを駅まで戻りました。道々、そういえば、庭には壊れたままの灯籠が散乱して(一つ二つではなく)いたり、棒状の石造りのものが散乱していたり・・・。一体、あれらは何のためなのだろうか?そして、こうした薄暗いお庭のもとで生活する方とは、一体どういう方なのだろうか、と思いました。
 久々の異空間体験でした。どこであるかは言えませんが。
 
 
コメント
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