表題は、たぶん「ご覧のスポンサーは・・・」をもじったもの。のごとく、テンポの良さが売り。友人の葬儀も、飲み会でのドンチャン騒ぎもほぼ同じ視点でハイテンポに描いている。さすがパンクロックの雄?
さりげなくもない日常を、さりげなく突き放してみる姿勢は、爽快感すら与える。それにしても、次々と事件が起こっても、主人公たちは何の動揺もなく(動揺も一瞬)ここなしていく。そこには、ときに因果応報的なオチもあるのが、古風なお作法。中でも、「末摘花」は面白かった。源氏物語中の一挿話をもとにしている。それにして、この作者、光源氏の置かれた立場・環境(義母との関係とか、のちの紫の上とかをめぐる苦悩=ふっと浮かんでは、すぐ消える)を押さえつつ、話を進めていくのには、感心した。橋本治も真っ青(文体を含めて)!
「先生との旅」も、オチがありきたりにもかかわらず、ベトベトギタギタ雰囲気が随所に出てきて、結構面白い。他の作品もひねりがあるようなないような・・・、作者、次々と矢継ぎ早に言葉が浮かび、つなぎ合わせていく天才とみた。少なくとも読者にそう思わせる技量はたいしたものだ。作者の、言葉との暴力的な格闘(らしきもの)をさしおいても、読後の気分は、そう悪くはない。
さりげなくもない日常を、さりげなく突き放してみる姿勢は、爽快感すら与える。それにしても、次々と事件が起こっても、主人公たちは何の動揺もなく(動揺も一瞬)ここなしていく。そこには、ときに因果応報的なオチもあるのが、古風なお作法。中でも、「末摘花」は面白かった。源氏物語中の一挿話をもとにしている。それにして、この作者、光源氏の置かれた立場・環境(義母との関係とか、のちの紫の上とかをめぐる苦悩=ふっと浮かんでは、すぐ消える)を押さえつつ、話を進めていくのには、感心した。橋本治も真っ青(文体を含めて)!
「先生との旅」も、オチがありきたりにもかかわらず、ベトベトギタギタ雰囲気が随所に出てきて、結構面白い。他の作品もひねりがあるようなないような・・・、作者、次々と矢継ぎ早に言葉が浮かび、つなぎ合わせていく天才とみた。少なくとも読者にそう思わせる技量はたいしたものだ。作者の、言葉との暴力的な格闘(らしきもの)をさしおいても、読後の気分は、そう悪くはない。