安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

加藤浩子著「オペラでわかるヨーロッパ史」(平凡社新書)を読んでDVDでオペラを観ました。

2020-03-21 20:07:09 | クラシック

オペラも結構好きなのですが、実際のステージはなかなか観ることができないので、DVDの鑑賞中心です。その関連で、加藤浩子著「オペラでわかるヨーロッパ史」を読みました。

   

著者の加藤浩子さんは、慶應義塾大学大学院を修了(音楽史専攻)し、同大学講師(音楽学)で音楽評論家です。著述、公演活動のほか、オペラや音楽ツァーの企画・同行も行っている方です。

目次は次のとおり。本書のコピーです。

オペラの紹介とともに、オペラの背景なども描きヨーロッパ史を解きほぐしてくれるところがあり、面白い本です。第1部「イタリアの光と影」、第2部「イギリス王室の舞台裏」はいくつかの作品でその国の歴史を俯瞰しています。通史がある程度わかっていると一層面白いと思います。

第3部「大国の栄光と没落」は、実際の歴史とオペラの筋立ての違いなどもわかりやすく、興味深く読みました。第4部「フランス革命がもたらしたもの」は、「椿姫」は別ですが、革命の名のもとに行われた凄惨な出来事を扱っています。

【この本に登場する作品と作曲者】
手に入らない「カルメル会修道女の対話」を除きDVDやブルーレイを揃えたので、ぼつぼつと観ています。

(第1部 イタリアの光と影)

シチリアの晩鐘(ヴェルディ)
カヴァレリア・ルスティカーナ(マスカーニ)
シモン・ボッカネグラ(ヴェルディ)
二人のフォスカリ(ヴェルディ)
リゴレット(ヴェルディ)
トスカ(プッチーニ)

(第2部 イギリス王室の舞台裏)

アンナ・ボレーナ(ドニゼッティ)
マリア・ストゥアルダ(ドニゼッティ)
ロベルト・デヴィリュー(ドニゼッティ)

(第3部 大国の栄光と没落  スペイン、ロシア、スウェーデン)

ドン・カルロ(ヴェルディ)
ボリス・ゴドゥノフ(ムソルグスキー)
仮面舞踏会(ヴェルディ)

(第4部 フランス革命がもたらしたもの)

アンドレア・シェニエ(ジョルダーノ)
カルメル会修道女の対話(プーランク) 
椿姫(ヴェルディ)

【「仮面舞踏会」を観ました】

スウェーデンを舞台とした「仮面舞踏会」は1792年に起こった史実のグスタフ三世の暗殺を軸に政治に恋愛を絡み合わせてストーリーがうまく作ってあり、音楽も充実しています。観たDVDはキャストも揃った秀作でした。

       

パヴァロッティ、ミッロ、ヌッチほか、レヴァイン指揮 メラーノ演出、メトロポリタン歌劇場管弦楽団  合唱団 (DECCA → ディアゴスティーニ)

【グスタフ三世の死を悼み、ヨーゼフ・マルティン・クラウスが作曲した交響曲ハ短調「葬送交響曲】

   

クラウスは1756年ドイツ生まれで、スウェーデンで活躍し、グスタフ三世に仕えた作曲家です。生年はモーツァルトと同じです。三世の死を悼み「葬送交響曲」を残しました。NAXOSのCDで聴くことができます。

日本語のリーフレット。


カフェ&ギャラリー 安曇野縁縁 (喫茶店・ギャラリー 安曇野市穂高有明)

2020-03-20 20:10:50 | お出かけ・その他

安曇野縁縁(あづみのえんえん)は、前から気になっていたのですが、先週、安曇野喫茶店巡りの3回目として行ってきました。前はもっと北の方にあったのですが、移転してきて目立つようになったので、僕の目に留まったのかもしれません。

大きな窓から眺める東側の景色がよくて、清々として過ごせました。食べ物は、女性マスターの手がかかっていそうなもので、特にスイーツは美味しかった。ギャラリーがあり2週間毎に展示が入れ替わります。今回は木工で、それも観させてもらいました。

看板

外観。これは建物の西南の方向から撮ったものです。

入口は反対側(東の方向)にありました。

入口

店内

すぐ入って右には四人掛けのテーブル席

すぐ入って左にカウンター席。

     

ストーヴが温かい。

奥に続く廊下には、催し物の案内や小物の展示品がありました。

ギャラリーでは、木工品の展示が行われていました。ウィスキーの樽を使った木工品などがありました。購入する人もいるようです。

メニューには本日のランチなどもありますが、売り切れになっていたので「ベークドカレーセット」を注文。

窓からは東側の景色が見えます。菜の花畑がすぐ近くにあるので、その時期はかなり綺麗だろうと思います。

小鳥の巣がかけてありました。

少し離れて撮りました。かかっているピアノの絵が気になります。

ベークドカレーセット。

チーズや鶏肉が入っています。熱々で、結構いけます。

サラダと小鉢

つい2時からのおやつを注文。焼き芋ソフトクリームケーキ。

カレーのセットに入っている珈琲とともにデザートをいただきます。

器はウェッジウッドで、明るくてきれいです。こういうのも揃えたいと思わされる器でした。

シンプルで焼き芋の上にアイスクリームを乗せてあるだけですが、焼き芋自体がそのままスイーツになってしまう良い品物でした。

崩して食べ始めたところですが、こういった小さなお店だから出せる物かもしれません。メニューをみると、スイーツ関係が季節に応じていろいろあるようです。ギャラリーも2週間で展示が入れ替わるので、季節を替えてまた来たい。

サービスでマシュマロを出してくれました。温めてあって、中にはあんこが入っていました。

【安曇野縁縁】

住所:安曇野市穂高有明8138-7 
電話:090-1545-1787
ホームページ:yyenen (お店のブログです)  


シルヴィア・テリス「THE FACE I LOVE」と「古き良き未来地図」というリノべーション事例集の話題

2020-03-19 20:02:26 | ヴォーカル(S~Z他)

本屋さんで、「(続)古き良き未来地図」という冊子を買いました。長野市内の古い建物を改築・改装して新たに利用しているところ80か所を紹介したものです。建物のイラスト、用途の変遷、オープン日、築年数などが掲載されています。一言でいうとリノベーションの事例集ですが、お店選びの参考にもなります。リマスターCDも出ているアルバム。

SYLVIA TELLES (シルヴィア・テリス)
THE FACE I LOVE (Kapp 1966年録音)

   

シルヴィア・テリス(vo, 1934~66年)は、1950年代~60年代前半に活躍したブラジルの歌手で、ボサ・ノヴァ草創期を担った一人です。アントニオ・C・ジョビン、カルロス・リラ、ロベルト・メネスカルらのボッサ曲を録音していますが、他方、アメリカのスタンダード曲も多数録音しています。

シルヴィア・テリス(vo)は間違いないのですが、伴奏のミュージシャンはよくわかりません。編曲は、ギターや各種打楽器を使い、軽やかさが出ているボサ・ノヴァです。このアルバムは、米国Kapp社の依頼で、ブラジルのエレンコレーベルが制作したもので、大部分が英語で歌われています。同様な経緯で、前年には「Sings The Wonderful Songs of A. C. Jobin」も制作されています。

曲は、スタンダードとボサ・ノヴァです。スタンダード曲が3曲で、「It Might as Well Be Spring」、「But Not foe Me」、「Baubles, Bangles and Beads」。ボサ・ノヴァ曲が、マルコス・ヴァーリ作が3曲で「If You Went Away」、「The Face I Love」と「Surfin' In Rio」、メネスカル=ボスコリ作の「Voce」と「TeTe」、A.C. ジョビン作の「Pardon My English」、他に「Rain」、「Image」、「Balanco Zona Sul」で、12曲。

A. C. ジョビンの「Dindi」、さらに、このアルバム収録のロベルト・メネスカルの「TeTe」は、シルヴィア・テリスに贈られた曲です。そのことだけとってみても、彼女はボサノヴァの女神(ミューズ)だったのですが、66年12月に自動車事故で亡くなったことも、伝説の歌手とされる要因になりました。囁く様な歌い方ではなくて声量があり、リズムにも乗りますが、哀愁曲ではアンニュイさも漂います。「It Might as Well Be Spring」、「If You Went Away」、「Pardon My English」、「TeTe」、「Sufrin' In Rio」など、どの曲も表情豊か。

(内容は同じですが、ブラジル国内で作られたCD。2004年発売)

   

original analog マスターテープから24bit digital Remasteringされています。

【続 古き良き未来地図】

   

表紙。

1ページに3つの建物が紹介されています。

ch.books。築100年の建物。

「つぼみ」花屋さんです。

実際に写真を撮ってみました。真ん中にch.books。その右につぼみ(花屋)。

旅館「五明館」の帳場が郵便局になっています。五明館は作家の池波正太郎が使ったことでも知られています。

善光寺郵便局を写真に撮りました。

旅館の看板が残っています。

こちらも代表的な建物です。旅館からレストラン・結婚式場となりました。ここで行われた結婚式に3回出席したことがあります。

THE FUJIYA GOHONJIN。

入口。ランチもやっていて、気軽に入れます。

他にも気になる建物、レストランや喫茶店などのお店があるので別に記事を作るつもりです。役に立つ小冊子です。


久しぶりにジャズ喫茶「CAFE 884」へ (長野県松本市里山辺)

2020-03-18 20:08:52 | ジャズ喫茶

松本市のジャズ喫茶「884」(はやし)をごく久しぶりに訪れました。2008年5月オープンなので、既に11年以上営業を継続されています。入店直後は僕一人だったので、マスターの林さんと四方山話。デビュー直後の纐纈歩美(as)さんや門馬瑠依(vo)さんが同店でライブを行った時の話も伺いました。

マスターはギターも弾きますが、新型コロナでカラオケ屋に行けなくなったおば様方の伴奏を頼まれてお店で演奏したようです。『イヤー、「天城越え」を伴奏させられたのには参ったよ』と嬉しそうに語っていました。

お店の外観。元は歯科医院です。

玄関

玄関のスペースがあって、お店の入口になります。

店内。冬ヴァージョンなので、奥の部屋に通じる扉が閉まっています。

カウンター

パイオニアのAV用のスピーカーを使っていますが、結構良い音で鳴っています。

右側には、小型のシステムが置いてあります。スピーカーはウッドコーンのもので、このスピーカーは好きだと話していました。ギターは、マスター愛用のものです。

アンプは、長野県上田市に本社のある城下工業の真空管アンプでした。

珈琲を注文。チョコレート菓子が付いてきました。カーティス・フラー(tb)とMJQのアルバムが続けてCDでかかりましたが、MJQの音の方がかなりクリアに聴こえました。

(奥の方の部屋)

こちらが奥の部屋です。電話がかかってきて、松本市内のホテルに今夜泊まる東京のお客様が見えるということで、開けたところです。

タンノイのスピーカーは健在です。

パイオニアのCDプレーヤーを使用しています。AV用だということですが、具合は良いとのことです。

アンプ類

奥の部屋から前室を見たところ。後ろ姿の男性が東京から見えたお客様です。

珈琲をお代わりしました。

かかったのは、川上さとみ(p)「オーキッド」というアルバムです。僕は彼女のライブを一度だけ聴いたことがあります。歯切れの良いピアノが好印象。

レモンのパウンドケーキがありました。これは初めて見ました。次回頼んでみます。

カウンターの奥にお雛様が飾ってあります。松本市や安曇野市界隈のひな祭りは、月遅れの4月3日です。

【cafe 884(カフェハヤシ)】  

住所:松本市里山辺西小松4239 
電話:0263-35-0407
営業:10:30~19:30 (定休日 日曜・祝日)


雪の舞う松本市内を散策。【高砂通り、古書とレコード「アガタ」、CD・レコード「BEATNIKS」など】

2020-03-17 20:01:38 | お出かけ・その他

松本市美術館併設のビストロサンチームでランチのあと、小雪が舞う中を散歩へ。狭い路地を通り抜けて高砂通りに出て、千歳橋のたもとにある「BEATNIKS」で買物した後、蔵が立ち並ぶ仲町を歩いて美術館の駐車場に戻りました。

古書とレコード・CD販売「アガタ」の御主人、小林さんとごく久しぶりに四方山話。同店ではスピーカーを売っていて驚きました。源池の井戸からは水が変わらず湧き出ていて、松本らしい光景に和みました。

ビストロサンチームの店舗。

美術館中庭にある彫刻。

植え込み。

雪が霙状になっています。梅だと思うのですが、可憐な花です。

実に氷状の雪が積もっています。何の花かわかりませんでした。わかる方教えてください。

 

高砂通りに出てきました。城下町湧水群のひとつの源池の井戸です。

井戸。

高砂通りには人形屋さんが何軒か営業していて、人形の通りとして知られています。

京人形のはなおか。

(本・レコード アガタ)

高砂通りに店を構える、古本とレコード・CD販売の「アガタ」です。

店内。いろいろなジャンルのものがありますが、クラシックやジャズの関係など音楽関連書籍も豊富です。

ジャズ中心にロックなどのレコード、CDを販売しています。奥に販売用のスピーカーが置いてあったのでびっくり。

手前には「LE8T」。御主人が手入れをして蘇ったそうです。前面の格子がきれいです。

前面が布張りの大型スピーカーは、「JBL C-34 Harkness」  Vertical、Woofer 130A 16Ω、Driver LE175DLH 16Ωと表記されていました。これはマスターがお使いのもののようです。 

上に乗っているスピーカーは、「Sachsenwek フォールドコイル」。ペアで3万円だそうです。お知り合いの方が制作して、展示販売しているそうです。ちょっと聴かせもらったら室内楽にピッタリな感じでした。後ろが空いていて箱にはなっていませんが、いい響きでした。

アンプも置いてありました。MAZDA PP3/250 SINGLE。御主人の小林さんは、昔はジャズのオリジナル盤をたくさん持っていましたが、最近ではオーディオに凝っているようです。また、現在では、レコードは使わずに、CDをパソコンに取り込んで再生しているとのことです。

「アガタ」の小林さん推薦のCD。MILES DAVIS「THE ORIGINAL MONO RECORDINGS」。リマスターがよくて、オリジナル盤と同等くらいの音がすると仰っていました。僕も早速注文しました。聴くのが楽しみです。

(BEATNIKS)

レコード店の「BEATNICKS」。CDの在庫が多いです。

   

「BEATNICKS」で購入したスティーヴ・キューン(p)の「raindrops」(muse)。よく見かけるレコードですが、きれいで安価でした。

美術館に戻ります。蔵の街を歩いています。

中町・蔵シック館

中町の「蔵の井戸」

当日は静かな中町でした。

美術館のすぐそばに戻ってきました。ここには源池の水源地があります。ベンチが置いてあって、寛げるようになっています。

水が湧き出ています。

松本市の水源地です。

美術館の前の通り。松本駅から東に延びている道路で、突き当りが「県の森」になります。

美術館に到着。次は、車でジャズ喫茶「884」(はやし)へ向かいます。