Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

台所からキッチンへ(14)

2022年03月07日 06時30分27秒 | Weblog
デフレの正体 経済は「人口の波」で動く 著者 藻谷 浩介
 「60-65年には団塊世代が十五歳を超え、さらに急速な生産年齢人口増加が起きます。ですが彼らは戦前生まれに比べ高校進学率も高かったので、就業者数の増加のピークは数年遅れ、65-70年にやってきました。これが当時の「いざなぎ景気」の主要因となります。「生産年齢人口の波」の上げ潮時に特有の「人口ボーナス」を最大限に受け取れたのが、この時期でした。
 ・・・実際の60年代は、卒業して社会人になっていく学生の数が空前に多い時代でした。・・・ですが彼らの圧倒的多数は、若いエネルギーを燃やし何とか職を見つけて食べていこうと努力し、・・・どこかに何かの職場(非正規雇用含む)を見つけることができたのです。そのため日本の経済社会は、需要と供給が共に拡大するトラックに入っていきました。その結果として「景気」が良くなり、さらに雇用が増えたわけです。つまり、雇用の増減の原因は景気ではなくて、生産年齢人口の増減そのものだったわけです。
」(p120~121)

 この「藻谷説」には批判も多いし、「ベストセラーに良書なし」の格言(?)によれば、このベストセラーにも問題がないわけではない。
 だが、60~70年代の経済社会の状況の説明として、相当な説得力を有していることは確かだと思う。
 また、80年代はどのような動きがあったかがこれまた難しい問題で、バブルの発生とその後の崩壊のメカニズムについて言えば、「藻谷説」だけで説明するのは難しいだろう。
 ここはやはり、国外の動きにも注目すべきところで、「自由貿易」や「グローバリゼーション」の名の下に、「産業空洞化」「賃金低下」「雇用喪失」「格差拡大」が生じたのはなぜかを考えてみる必要がある。
コメント
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