Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

君はコストだ!

2022年03月28日 06時30分50秒 | Weblog
文春新書 グローバリズムが世界を滅ぼす エマニュエル・トッド ハジュン・チャン 中野剛志 藤井聡 柴山桂太 堀茂樹
 (エマニュエル・トッド)「さて、自由貿易が生み出す根本の問題は、経済活動の実践の仕方である前に、一つのイデオロギーです。どういうことかというと、企業が、自分たちは国内市場のために生産するのではなく、外部市場のために生産するのだという考えに傾いていくのです。
 こうした状況では、輸出貿易をめざす国の企業は、その当然の傾向として、また正当な傾向とさえいえると思いますが、だんだんと賃金を純粋なコストと見なすようになります。賃金は内需に貢献する要素であることをやめてしまいます。それは純粋なコストになり、すると企業は、賃金コストの削減の論理に入っていきます。
」(p130)

 このくだりで、私は、「君はコストだ!」という言葉(大野耐一の鬼十訓)を思い出した。
 これは、典型的な集団思考/集団志向の一種であり、その行きつくところは、賃金削減、(国内)需要の減少、雇用不安、企業倒産、etc.という悪夢のスパイラルである。
 そういえば、私が金融機関に勤めていたころ(四半世紀ほど前)、ある建設会社の社長がこんなことを言っていた。

 「コスト削減のためには、やはり人件費と外注費を削るのが一番だ。うちのカイシャでは、香港の企業に図面を書いてもらって、それをネットで送信してもらう。このおかげで、社内に設計担当人員を抱えなくて済むし、社外の建築士事務所に費用を払わなくて済む。
 
 ちなみに、調べたところ、この会社は現在は存在しないようである。
 



 
コメント
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