平成の働き方の変化(職場の問題編)〜◯◯ハラスメントはなぜ増えたか〜
「「パワー・ハラスメント」(パワハラ)は、平成13年(2001)にコンサルティング会社のクレオ・シー・キューブが提唱した言葉です。セクハラの相談窓口や研修を行っている中で、セクハラの範疇では捉え切れない相談や意見が男性社員からも多く投げかけられたことから、この言葉を考案したとのことです。(参考:岡田 康子「パワー・ハラスメントとは」(その1))」
「昔はOKだったことがNGになるのは、社会が成熟して人権意識が高まった結果とも言えます。これは日本に限らず世界的な兆候で、国際労働機関(ILO)は職場でのハラスメントを防止するための条約を今年の年次総会で制定すべく動きだしています。」
なるほど。
「モラル・ハラスメント」(精神的嫌がらせ)を最初に提唱したのは、マリー=フランス・イルゴイエンヌなのだが、彼女の著書:『モラル・ハラスメント(Le harcèlement moral, la violence perverse au quotidien』(1998)に「パワー・ハラスメント」という言葉は登場せず、その代わりに「職場におけるモラル・ハラスメント」という言葉が用いられている。
要するに、「パワー・ハラスメント」は日本固有の用語なのである。
さて、記事が指摘するように、ハラスメントの問題が意識化されることは良い事なのだが、他方において、非正規雇用の問題については、立法・行政とも中途半端な対応に終始しているように思える。
こちらの問題も深刻であり、これを止めない限り、所得の低下→需要の減退という悪夢のスパイラル(君はコストだ!)が続くことは目に見えているだろう。
こうしてみると、政府は、「非正規雇用」対策に真剣に取り組まないことの言い訳あるいは「代償措置」として、パワハラ対策を熱心にやっているかのように見えてしまうのである。
あえて弁護するとすれば、この問題は、内閣府や厚労省だけでは対処できない、根深い問題だということなのかもしれない。
「「パワー・ハラスメント」(パワハラ)は、平成13年(2001)にコンサルティング会社のクレオ・シー・キューブが提唱した言葉です。セクハラの相談窓口や研修を行っている中で、セクハラの範疇では捉え切れない相談や意見が男性社員からも多く投げかけられたことから、この言葉を考案したとのことです。(参考:岡田 康子「パワー・ハラスメントとは」(その1))」
「昔はOKだったことがNGになるのは、社会が成熟して人権意識が高まった結果とも言えます。これは日本に限らず世界的な兆候で、国際労働機関(ILO)は職場でのハラスメントを防止するための条約を今年の年次総会で制定すべく動きだしています。」
なるほど。
「モラル・ハラスメント」(精神的嫌がらせ)を最初に提唱したのは、マリー=フランス・イルゴイエンヌなのだが、彼女の著書:『モラル・ハラスメント(Le harcèlement moral, la violence perverse au quotidien』(1998)に「パワー・ハラスメント」という言葉は登場せず、その代わりに「職場におけるモラル・ハラスメント」という言葉が用いられている。
要するに、「パワー・ハラスメント」は日本固有の用語なのである。
さて、記事が指摘するように、ハラスメントの問題が意識化されることは良い事なのだが、他方において、非正規雇用の問題については、立法・行政とも中途半端な対応に終始しているように思える。
こちらの問題も深刻であり、これを止めない限り、所得の低下→需要の減退という悪夢のスパイラル(君はコストだ!)が続くことは目に見えているだろう。
こうしてみると、政府は、「非正規雇用」対策に真剣に取り組まないことの言い訳あるいは「代償措置」として、パワハラ対策を熱心にやっているかのように見えてしまうのである。
あえて弁護するとすれば、この問題は、内閣府や厚労省だけでは対処できない、根深い問題だということなのかもしれない。