行動食

集英社文庫　神々の山嶺（下）
　「羽生が、装備のチェックに使用した紙片を、深町は手に取り、中を覗いた。
　ボールペンで、細かく装備の品が書かれていた。　
　重さまでが記してある。・・・
　カルシウム入りビタミン剤５錠・・・
　蜂蜜
　干し葡萄
　コンデンスミルクのチューブ入り
　チョコレート
　飴」（ｐ245～247）

　空腹の状態で長時間仕事をしていたり、運動していたりすると、突然低血糖状態に陥ることがあるが、これはまずい。
　例えば、高所で作業を行う人が、低血糖になって足元がふらついたりめまいがしたりすると危ない。
　身体的な症状以外に精神的な症状もあって、例えば、理由のない不安感に襲われたり、思考が不健全になったり、判断力が低下したりして、思わぬミスが生じることもあるだろう。
　こういう事態に陥らないように、登山家は行動食を常備している。　
　冒頭に引用したのは、「神々の山嶺」に出てくる日本人冒険登山家・羽生丈二の行動食である。
　手っ取り早く血糖値を上げる食べ物としては、チョコレートや飴というのが多いようだ。
　だが、私の経験では、行動食としては、どら焼きが最強だと思う。
　ちなみに、加藤文太郎の行動食は、「甘納豆といりこ」だったそうである（加藤文太郎の行動食？）。
（加藤文太郎記念館にある彼の登山手帳には、「干柿、砂糖、レモン、アマ納豆、ボンタンアメ、チョコレートクリーム」などが列挙されている。）
　やはり、あんこ（小豆？）最強！