Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

国家と社会

2022年04月18日 06時30分24秒 | Weblog
【舛添直言】プーチンはなぜこれほど冷酷になれるのか
東方正教会文明圏の特質であるが、ロシア正教界のトップ、モスクワ総主教のキリルは、ロシアの内外の敵と戦うために、プーチンと共に団結せよと訴えている。ウクライナ正教会はこれと真っ向から対立している。今や東方正教会も分裂してしまった。
 プーチンは東方正教会文明が生み出した現代のツァーリであるという認識が必要である。ヨーロッパの政治家とは違うのである。
」 
ロシアでの独立系の世論調査で、プーチン支持率が83%と高いのは、単に政府のプロパガンダが効いているのみならず、ロシア人のナショナリズムを刺激しているからである。ロシア国民は、現代のツァーリ、プーチンに絶対服従なのである。
 ハンス・モーゲンソーは、その古典的名著『国際政治』の中で、ロシアの国民性に触れて、1851~52年にロシアに駐在したアメリカ公使の言葉を引用している。
 「ロシア人が世界を征服する運命にあるという奇妙な迷信が、ロシア人の間で行き渡っている。こうした運命観とその光栄ある報酬という考えに基づいて軍人に訴えれば、それが無駄に終わることはめったにない。最大の苦境のまっただなかにおかれているロシア兵を特徴付けている、あの驚くべき忍従と持久力は、この種の甘受に原因があった」
 これは、現在のロシア人にも十分に当てはまるものである。


 国家と社会の関係は、非常に難しい問題を含んでいる。
 「国家は(一部のエリートによる)政治に関わるが、社会は全国民の経済生活全般を包摂する」とか、「市民社会を基盤として、その上に統治機構としての国家が乗っている」という見方は、余りにも皮相である。
 この種の単純な二元論/二分論が通用しないことは、既に第一次大戦の時点で明るみになっていたはずだし、その後のナチスの台頭を見れば、「社会が国家を食い破る」現象があることも理解出来るはずである。
 ちなみに、わが国では、「国家が社会を利用して全体主義の強化を図る」という状況がみられた(台所からキッチンへ(8))。 
 ところが、このような見方だけでは不十分であり、「市民社会の地下ないし外」からの作用も考慮する必要がある。
 そうしない限り、ナチス発生のメカニズムやジェノサイドなどの分析は出来ないからである。
 端的には、例えば宗教(もっと広く言えば(集団的な)死生観)は重要であり、舛添氏はまさにそのことを指摘している。
 こうした視点がないと、「なぜロシア兵はウクライナの民間人に対してあれほどまでに残虐な行為をしてしまうのか」を理解するのは難しい。
 さらに、私見では、集団のレベルでの残虐性だけではなく、個人のレベルにおける残虐性についても分析する必要があると思う。
 ワイマール体制下のドイツ国民/市民や現在のロシア国民/市民の分析は重要だが、ヒトラー個人あるいはプーチン大統領個人の分析、つまり、「どうしてある種の人間は、他の人間に対してここまで残虐になってしまうのか」という問題意識も必要だと思うわけである。
 そうすると、またもや「闇」(無意識?)の世界に入り込むおそれがあるけれども、不健全な自我の拡張、典型的には「自己愛性パーソナリティ障害」というキーワードが浮かび上がってくるのである。
 このことは、日常的にパワハラ・モラハラやDV事件に対処している私としては、やはり指摘しておきたいところである。
 ・・・ところで、DVと言えば、こういうニュースがありましたよ。
 「敵は我にあり」?

過去のDV被害を明かした片山さつき担当相、対策強化に注力
 「第4次安倍晋三改造内閣唯一の女性閣僚の片山さつき男女共同参画相(59)が、ドメスティック・バイオレンス(DV)対策の強化に注力している。2月には、DV被害者が一時的に避難する民間シェルターへの支援策を協議する検討会を立ち上げ、女優の生稲晃子さんらをメンバーに選定した。片山氏は、今年に入って自らの過去のDV被害と立ち直った経験を明かしただけに、対策にかける思いはひときわ強いようだ。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする