週刊文春4月21日号の「言霊USA」(町山智浩氏)によると、「妻を侮辱した男に、夫が手袋を叩きつけて決闘を挑む。それは欧米の伝統。1806年、アンドリュー・ジャクソンは、妻を揶揄した男を決闘で射殺し、英雄と讃えられ、アメリカ大統領に当選した」そうである。
こういう「伝統」のせいか、アカデミー会員の中には、ウィル・スミスのビンタを称賛する声もあるらしい。
それに比べると、わが国では、この種の「決闘」の物語は殆ど聞かないようだ。
ちなみに、シチュエーションが違うので比較は難しいが、「好色五人女」のおさん茂兵衛では、当主の妻:おさんと姦通相手:茂兵衛には、「磔」という非常に重い処刑方法がとられている。
これについては、幕府が処罰に乗り出すのではなく、例えば、「姦通の相手に対し、被害者は報復することが出来る(違法とされない)」といった具合に、”決闘”のスタイルを取り入れることも考えられると思うのだが、そういう制度は採用されなかった。
姦通に極めて重い刑罰を科することによって、夫婦の関係あるいは夫の権利を幕府が守っていたわけだが、この狙いが「イエ」の保護にあることは言うまでもないだろう。
皮肉なことに、この後、当主の「イエ」(大経師家)は断絶に至っている。
こういう「伝統」のせいか、アカデミー会員の中には、ウィル・スミスのビンタを称賛する声もあるらしい。
それに比べると、わが国では、この種の「決闘」の物語は殆ど聞かないようだ。
ちなみに、シチュエーションが違うので比較は難しいが、「好色五人女」のおさん茂兵衛では、当主の妻:おさんと姦通相手:茂兵衛には、「磔」という非常に重い処刑方法がとられている。
これについては、幕府が処罰に乗り出すのではなく、例えば、「姦通の相手に対し、被害者は報復することが出来る(違法とされない)」といった具合に、”決闘”のスタイルを取り入れることも考えられると思うのだが、そういう制度は採用されなかった。
姦通に極めて重い刑罰を科することによって、夫婦の関係あるいは夫の権利を幕府が守っていたわけだが、この狙いが「イエ」の保護にあることは言うまでもないだろう。
皮肉なことに、この後、当主の「イエ」(大経師家)は断絶に至っている。