この”ライト・モティーフ”は、後の「『奉加帳方式』から『公的資金の注入』へ」という形で(ちなみに、アメリカでも最近「奉加帳方式」が利用されたようだ(ファースト・リパブリックの救済策、大手行の300億ドル預金も抜本的な解決とはならず))、さらにその後は、「官民プロジェクト」、「官民ファンド」という名称で繰り返されることとなる。
さて、JRへの融資を急増させた日本開発銀行だが、私が大学生だったころ、主に経済学部生の間では、非常に人気のある就職先だった。
経済学部・大学院を出て”カイギン”に入り、エコノミストになるというのが、一つのスマートな振る舞いとされていたのである(ちなみに、”カイギン”出身のエコノミストには、竹中平蔵氏(!)や藻谷浩介氏(但し、法学部出身)などがいる。)。
だが、実際には”完全民営化”には至っていない。
「もともと特殊法人だったのが2008年に株式会社化しており、その意味では2009年のJAL再建問題時には既に「民営化」していました。しかしながら、株式は100%政府(財務大臣)が保有(2020年統合報告書69頁)しており、未だ政府系の金融機関であることは変わりなく、「完全民営化」はしていないという状態です。ドラマの開投銀も、第7話開始時点ではおそらく同様の状態だったと思われます。 」
「政投銀は、復興金融金庫、日本開発銀行、北海道東北開発公庫と旧日本政策投資銀行が統合して2008年に設立された、政府が100%株式を保有する政府系金融機関である。当初は12~14年をメドに株式をすべて売却し完全民営化される予定であったが、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災に伴う危機対応から延期され、15年に5~7年後に完全民営化すると仕切り直された。
だが、「今回のコロナ対応で当面、完全民営化はなくなった」(メガバンク幹部)というのが金融界の共通した見方だ。 」
ちなみに、原作の「半沢直樹2 オレたち花のバブル組」をざっとチェックしたが、「開発投資銀行」らしき銀行は登場しない。
これはTBSの独創だったのだろうか?