(「日本の安全保障に関する初歩的な確認」(続き))
「「軍事利用可能な先端技術の開発」に向けて「国立研究開発法人」に資金を投下する「新たな仕組み」が検討されているという報道が11月9日付朝日新聞朝刊4面においてなされた。・・・
今とりわけ自由で分散的な投資が一点集中の国家主導投資に優るということになった。ならば、軍事を離れ、まずは大学などを自由にし、他方経済社会の自律的回復を妨げないよう、徹底的に(これまで専ら政治から発してきた)阻害要因を取り除かなければならない。・・・
大学に関わるものを含めて数ある「官民プロジェクト」「官民ファンド」の如きはことごとく fiasco に終わると前線(特に民間企業の従業員)の間では言われている。それでも跡を絶たないのは、この形で資金を循環させる以外の経済がなくなった、と言われるほど衰弱し、なおこの仕組の中で資金を吸い取るべく群がる人々がこれを推進するからである。」(p60)
「当時のソニーとパナソニックの有機ELパネルの開発部門を統合して設立したJOLED(ジェイオーレッド)は27日、民事再生手続き開始を東京地裁に申し立て、受理されたと発表した。負債総額は約337億円。製造、販売事業から撤退し、石川県能美市と千葉県茂原市の生産拠点を閉鎖する方針も明らかにした。閉鎖時期は未定。政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が大株主で、巨額支援していたが軌道に乗らず経営破綻した。 」
殆ど付け加える言葉がない。
今は、「軍事一点集中の国家主導投資」に「資金を吸い取るべく群がる人々」の動きを注視し、これを何とか抑止する必要があるということになるだろう。