プログラムA公演
モーツァルト:交響曲第29 番 イ長調 K.201
ベルク:オーケストラのための3 つの小品 Op.6
ブラームス: 交響曲第4 番 ホ短調 Op.98
ベルク:オーケストラのための3 つの小品 Op.6
ブラームス: 交響曲第4 番 ホ短調 Op.98
プログラムB公演
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132
R.シュトラウス: 交響詩『英雄の生涯』 Op.40
R.シュトラウス: 交響詩『英雄の生涯』 Op.40
ベルリンフィルが4年ぶり来日した。
だが、私は指揮者がキリル・ペトレンコだと知って、当初は行くのを控えようと思った。
なぜなら、6年前に、彼が指揮するバイエルン国立劇場の「タンホイザー」を観て/聴いて、余りの演出の酷さに怒りを覚えていたからである。
「で、物議をかもしそうなのはロメオ・カステルッチの演出。弓と矢、円盤、肉、カーテンといったモチーフがシンボリックに使用されているようだが、全般に自分の視力では舞台の細かいところまではよく見えなかったり、読めない文字があったりと、どこまで受け止められたのかはかなり怪しい。」
チケットを買い控えていたところ、その後何度も再販売の告知があったので、「まあ行っとくか」ということで、Aプロ・Bプロとも購入した。
ペトレンコは、定番の名曲と演奏機会の少ない埋もれた曲とをセットにする方針で、
ベルク:オーケストラのための3 つの小品 Op.6
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132
が埋もれた曲に当たる(Bプロの方が売れ行きが芳しくなかったようだが、それも納得といったところか?)。
感想だが、「第一ヴァイオリン至上主義」と「人海戦術」を強く感じた。
第一ヴァイオリンの皆さんのレベルが段違いに高いし、「英雄の生涯」でのコントラバス8人体制から分かるように、とにかく数で圧倒するポリシーのようだ。
なので、二階席からオケ全体が振動するのを観るだけでも楽しい。
この路線だと、ブラームスやR.シュトラウスはピッタリという印象であるし、おそらくマーラーや(私の苦手な)ブルックナーなども十八番なのだろう。
例のペトレンコは、終始にこやかな表情で、終演後も舞台に再登場して観客にお礼をしていた。
彼は、ベルリンでは「全員のコンセンサス(合意)を形成しながら1つの音楽を作り上げていく新しいスタイルを目指している」そうで、好印象を抱いた。
バイエルン時代の印象は捨てた方が良さそうである。