Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

「子守歌」としての無旋律音楽

2023年12月15日 06時30分00秒 | Weblog

 3年前にブリテンの「夏の夜の夢」を聴いている際、やたらと眠くなるという経験をした。
 おそらく3分の1くらいは眠りに落ちていたと思うのだが、その時は、「自分は無調音楽(らしきもの)を理解出来ないので、眠くなるのだ」と推測していた。
 だが、この推測は半分当たっており、半分外れていたことが最近分かった。
 というのは、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」を聴いている際にも全く同じ感覚を覚えたのだが、この曲はいわゆる「無調音楽」には分類されていないようなのだ。
 調べてみると、ブリテンの「夏の夜の夢」も、「無調」とはされていないようである。
 そこで、「夏の夜の夢」と「詩篇交響曲」の共通点を抽出し、「子守歌」に感じてしまう理由を探ってみた。
 2つの音楽の共通点としては、表現するのが難しいが、ヴォーカルにいわゆる「旋律」らしい「旋律」が存在しないことが挙げられる。
 専門的には、おそらく音の動きが独特ということなのだろうが、私にはうまく説明が出来ない。
 そこで、便宜的に、不正確であっても「無旋律音楽」と名付けておきたい。
 この種の「音」(ないし「音の動き)に対して、どうやら私の脳は「理解出来ない」という反応を示すようなのだ。

 「・・・かし面白いことに、覚醒しているヒトの脳と、寝ているヒトの脳とでは、消費するエネルギーがほとんど違わない。
 ・・・じゃあ、寝ている間、脳はなにをしているのか。・・・
 この根本は簡単なことだと私は思っている。意識とは秩序活動だからである。秩序の反対は無秩序、つまりランダムである。意識はランダムなことをすることができない。」(p96~97)
 
 なるほど。
 養老先生の指摘を踏まえると、人の声が「無秩序=ランダム」と認識されると、「意識」は活動を停止し、情報を整理して「秩序」を回復するための「眠り=無意識」へと移行してしまうのだろう。
 考えてみれば、「子守歌」も赤ちゃんにとっては理解出来ない「無秩序=ランダム」と認識されているのかもしれない。
 ・・・むむむ、これは高校時代の数学の授業と同じではないか!
 先生は、一生懸命「秩序」を教えようとしているのに。
コメント
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