「“ピアノの魔術師” フランツ・リストによる2台ピアノ版で再現される、ベートーヴェンの最高傑作。
オーケストラをもしのぐ圧倒的なピアノの響きで、会場を熱狂へと誘います!」
そろそろ「第九」の季節だが、2台ピアノ版の「第九」というのも面白い。
清水さん×髙木さんのデュオは、ARKシンフォニエッタ GALA第1夜 で一度聴いているが、この時はモーツァルトの可愛らしいコンチェルトだった。
今回はリスト編曲の「第九」なので、さすがに”音(音符)がいっぱい!”というのは事前に予測出来た。
ちなみに、グールドもリスト編曲の「運命」をリリースしているが、これはソロ演奏である。
意外に感じたのは、第2,3楽章は「ダンス」をモチーフにしているとみられることで、これはオーケストラの演奏だと見逃してしまいそうである。
編曲もひねりが利いていて、第3楽章は、「こんな曲だったかな?」と思わせる編曲で意表を突く。
もちろん目玉は第4楽章。
2台のピアノで、オーケストラも4人のソロ歌手も「合唱」までも表現するという離れ業で、終演後はブラボーの嵐であった。
ここでちょっと下世話な話題をすると、使用された2台のスタインウェイの値段が気になったので調べたところ、2台で3000~4000万円くらいしそうである(スタインウェイ&サンズ 新品ピアノ価格)。
先日ブーニンが弾いていたのはファツィオリだが、これも1台1000万円を超えているようだ(ファツィオリのピアノのお値段)。
ちなみに、ツィメルマンは、アメリカの航空当局によって愛用のピアノを没収・破壊されたらしい(アメリカに抗議するツィメルマン)。
彼は愛用のピアノをコンサート会場に持ち込むくらい楽器にこだわるピアニストなので、これはプライスレスな次元の問題なのだろう。