【Aさん(61歳・男性)の履歴書】
・私立灘高校卒
・東大法学部卒
・通商産業省入省
(メリーランド大学大学院で修士号を取得)
・2003年、衆議院議員に初当選
【Bさん(61歳・男性)の履歴書】
・大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎卒
・早稲田大学政経学部卒
・NTT入社
(ボストン大学大学院で修士号を取得)
・1998年、参議院議員に初当選
【Cさん(61歳・男性)の履歴書】
・早稲田大学政経学部卒
・日本石油入社
・2022年、ENEOSホールディングス代表取締役社長に就任
転職活動を経験した人であれば、「美しい履歴書」の重要性のことをよく分かっているはずだ。
転職市場においては「書面審査」を通らないと話にならないのだが、そのために真っ先に必要となるのが「美しい履歴書」である。
ここでいう「美しい」というのは、「高学歴」、「一流企業の勤務歴あり」、「学歴・職歴の整合性」、「途中に空白の期間がない」などといった意味である。
この観点からすると、AさんもBさんもCさんも(いずれも61歳・男性)、人もうらやむような「美しい履歴書」が書ける人物である。
だが、現実はどうか?
「政治資金パーティー裏金事件で揺れる自民党最大派閥・安倍派「5人組」の西村康稔前経済産業相、世耕弘成前参院幹事長の両氏が20日、月刊誌の取材で「首相に意欲」を示していたと一部で報道された。強制捜査前のインタビューとは言え、あまりに間の悪いタイミングの話題に、ネット上では「この2人が首相になったら日本が終わる」など怒りやあきれる声が挙がった。」
「同社によると、「懇親の場で斉藤氏が酔った状態で同席していた女性に抱き付く不適切行為があった」との内部通報が11月末にあり、調査の結果、「事実であると判断した」という。」
こういうニュースを見ると、「美しい履歴書」というのは、「ジキルとハイド」でいうところの「ジキル」の側面を表したものであることが分かる。
「ハイド」の方が、その人の本性かもしれないのに。
この点、ユダヤの格言に、
「人間を評価するには3つの基準がある、「金の使い方」、「酒の飲み方」、「忍耐強さである。」
というのがあるらしい(出典は不明)。
政治家や経営者の適性をはかるには、履歴書だけでなく「金の使い方」や「酒の飲み方」もよく観察する必要があるのだろう。