「防衛費の財源確保に向けた増税の開始時期について、自民党の税制調査会は今月中に決めたいとしていますが、公明党内には来年予定している所得税減税の実施前に決めるのは得策ではないという意見があり、協議が行われる見通しです。」
事態は深刻で、「防衛増税」という名の、日本を破滅(但し「戦う前の”破滅”」)”へと導く時限爆弾がセットされており(最後の棒倒し(10))、これに”今の霞が関”の一部も加担している。
だが、これはある意味では当然のことである。
「防衛増税」は、短期的には、当該集団の「組織存続」に役立つと考えられているからである。
・・・こういう風に絶望的な状況ではあるものの、希望の光が全くないわけではない。
木庭先生の教え子の中には、官僚になって活躍している人が相当数存在しており(「「憲法9条の適用問題 ー 改憲論に備えて」2021年11月10日第二東京弁護士会」 での発言)、この人たちが、将来の日本を支える(既に支えている)かもしれないのである。
これは、30年前ではおよそあり得ないことだった。
というのも、当時、国家試験を目指す人たちの殆どは、ローマ法の講義やゼミなどには目もくれず、予備校に通いまくっていたからである(ローマ法のゼミ生で法曹になる人はごく少数で、官僚になる人はおそらくゼロだったと思う。)。
ところが、ロースクール制度の導入により、「法のパースペクティヴ」や「学習困難者のための法学再入門」などの講義を受けた学生たち(社会人出身者を含む)の一部が、霞が関へと進んでいったようなのだ。
私は、この人たちは、カタリーナのように偽物の「軍事化イニシエーション」によって馴致されることはないし、「組織存続」の犠牲=スケープゴートとして葬り去られることもなく、ネオプトレモスのような心と思考を持った人たちであると信じる。
もっとも、この人たちが枢要な地位に就く前に、「防衛増税」によっていったん日本は破滅しているかもしれない。
その場合、この人たちは、「日本の「復興」を支える人たち」という位置づけになるかもしれないのだが・・・。