「ソポクレスによる、知らずのうちに近親相姦と父親の殺害に手を染めたテーバイの王オイディプスの物語『オイディプス王』、テーバイを追放され放浪の途にあるオイディプスの神々との和解とその生の終幕を描いた『コロノスのオイディプス』、そしてオイディプスの娘であるアンティゴネが兄弟の埋葬をめぐり、テーバイの王・クレオンと激しく対立する『アンティゴネ』。
同じ時系列の神話をモチーフとしながらも独立したこの3作品を、船岩は「こつこつプロジェクト」の中で一つの戯曲として再構成し、現代における等身大の対話劇として創り上げました。」
同じ時系列の神話をモチーフとしながらも独立したこの3作品を、船岩は「こつこつプロジェクト」の中で一つの戯曲として再構成し、現代における等身大の対話劇として創り上げました。」
「オイディプス王」、「コロノスのオイディプス」及び「アンティゴネ」は、同じ劇作家:ソポクレスが書いた作品であり、時系列で行くとこの順番となる。
そういえば、こちらは複数の作家の作品であるが、「アルゴナウティカ」と「メディア」をドッキングさせるのも、同様の試みといえるだろう(3月のポトラッチ・カウント(3))。
構成、上演台本、演出を行ったのは船岩祐太さんであるが、大きな特徴としては、① クレオンにフォーカスすることによって、家族だけではなく社会の在り方を考えさせるストーリーとなっている、② 会話劇として構成するため、コロスのセリフはカットする代わりに他の登場人物のセリフに割り振っている、ことが挙げられる。
私の印象では、①は何とも言えないが、②は自然な流れとなっていて概ね成功していると思う。
さて、1本目の「オイディプス王」だが、余りにも有名な戯曲なので、ストーリーは説明するまでもないだろう。
まず、オイディプス王に殺されたライオス王は、我が子を殺そうとしたことの代償として命を奪われたのだから、ポトラッチ・ポイントは5.0となる。
また、事実を知って自害したイオカステについても、元はと言えばライオスと一緒に我が子を殺害しようとしたのであり、いわばその報いとして命を絶ったのだから、ポトラッチ・ポイントは、やはり5.0となる。
それでは、オイディプス王についてはどうだろうか?