Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

盛り合わせ禁止

2022年01月21日 06時30分45秒 | Weblog
世界にはばたくMAO 若き才能が放つ閃光の輝き 藤田真央 ピアノ・リサイタル

 いま日本でもっとも優れたピアニストの一人ということもあって、会場は3階までほぼ埋まる大盛況である。
 だが、これだけの人が集まると、約30メートル先の人がバッグの中からオペラグラスを取り出す音や、居眠りをしてプログラムを床に落とす音などが鮮明に響いてしまうのは、この会場の弱点なのかもしれない。
 さて、かつて丸山 眞男先生は、「芸術作品をそれが芸術作品であるというだけの理由から、傾向と問題意識においても様式においても価値観においても全く食い違う諸作品を、安んじて一緒くたに並べる無神経さ」を「盛り合わせ音楽会」という言葉で厳しく批判した(美術館)。
 これに対し、藤田さんの選曲は、前半はショパンとリスト、後半はシューマン夫妻とブラームスという、明確なコンセプトと統一感が感じられる。
 これなら丸山先生の批判も受けなくて済みそうである。
 ・・・と思っていたら、アンコールの曲目はは”盛り合わせ”だった!
 まあ、アンコールなので、丸山先生も許してくれるだろう。
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棲み分け案

2022年01月20日 06時30分38秒 | Weblog
<知の巨人・トッド語る>”老人支配国家”日本は韓国よりマシだが、中国と同じくらいヤバい
 「2022年4月に大統領選を控えるフランスは、マヒ状態に陥っています。右派候補者ばかりで、右派の支持率が合計で約8割を占めているのです。「無秩序」と「革命」の国であるフランスがこれほど右傾化しているのも「老人支配」の現れです。有権者が高齢化しているだけでなく、「老人的思考」が支配的になり、若者も「老人のように考える」ようになってしまったのです。かつての若者は退職後の生活やアパルトマンの購入について思い煩うことなどなかったのに、今はそうではありません。こうした若者の傾向は先進国共通の現象です。

 先進国で「老人支配」の傾向が進んでいるというトッド氏の指摘である。
 トッド氏はこれにネガティヴな評価を与えているが、私見では、この見方は「生産(力)至上主義」に傾き過ぎた問題のある思考だと思う。
 つまり、「生産(労働)しない人」を無価値とみて排除するのではなく、何も生産しなくても「存在するということだけで尊い人(たち)」を認めるべきだと思うのである。
 「老人支配」への批判が行き過ぎて、老人や障害者などの生産労働に従事しない・出来ない人たちを排除するのは間違いだろう。
 とはいえ、若いときから老後の心配をしなければならない現代の日本も、老人が強い政治力を持って右傾化するフランスも、やはり宜しくないから、是正策を考える必要がある。
 全くの思い付きだが、一定の年齢で生活するエリアを分ける、つまり、行政区分を例えばヤング州とシニア州とに分けて、現役世代とそれ以外の世代とで棲み分けるというのはどうだろう?
 これだと、日本とフランスが抱えている問題を一挙に解決できるようにも思うのだが、逆に、国・社会の分断を生むというリスクがあるかもしれない。
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拡大自殺と群居本能(2)

2022年01月19日 06時30分18秒 | Weblog
【東大刺傷】逮捕少年通う高校が謝罪「孤立感にさいなまれ引き起こされた」
 「『密』をつくるなという社会風潮のなかで、個々の生徒が分断され、そのなかで孤立感を深めている生徒が存在しているのかもしれません。今回の事件も、事件に関わった本校生徒の身勝手な言動は、孤立感にさいなまれて自分しか見えていない状況のなかで引き起こされたものと思われます。今後の私たちの課題は、そのような生徒にどのように手を差し伸べていくかということであり、それが根本的な再発防止策であると考えます」

 「群居本能」を強化すべきという趣旨のコメントであるとすれば、この高校はとんでもない勘違いをしていることになるだろう。
 中等教育において必要なのは、「自立的な(自己決定できる)個人の養成」である。
 例えば、「みんなが憧れる最難関の東大医学部に入りたい」などという、「他人の欲望を欲望する」だけの人生から脱却することを、生徒自身に悟らせることが最重要課題なのである。
 もちろん、これに際しては、夏目漱石も指摘しているとおり、「ある時ある場合には人間がばらばらにならなければなりません。そこが淋しいのです。」という心境に陥ることもあるが(個人の覚醒)、そこで孤独に耐え抜くことを、早い段階で学ばせるべきだと思うのである。
 例の高校は、漱石とは真逆の対応を行おうとしていることになるが、これが「根本的な再発防止策」になり得ないことは明らかである。
 話はやや逸れるが、プロ野球の世界でも、強いチームの個々の選手に着目すると参考になる。
 例えば、澤村拓一投手の、ソフトバンクについてのコメントが面白い。

【ボーボーの草むらに人影が…】澤村拓一が事前にトレードに気付いた理由【セパの違いも聞いたで】【巨人→ロッテ初公開の秘話アリ】【サワムラーSP 2 / 3】【緊急事態宣言stay homeのおともに】
 「ジャイアンツは組織としては強いです。ソフトバンクは、組織も強いけど、個人も強いです。」(10:20~)
 
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拡大自殺と群居本能

2022年01月18日 06時30分19秒 | Weblog
大阪ビル放火殺人、口座残高ゼロ 17日で発生1カ月、拡大自殺か
 「所持金もわずかで、生活が困窮し交友関係も乏しい中、大勢を巻き込む「拡大自殺」を図ったとみられる。

東大試験会場の3人刺傷で逮捕の17歳「自分も死のう」 拡大自殺の個人テロから身を守る方法〈dot.〉
 「捜査関係者は事件の未然防止の難しさを指摘する。
「最近増えている、拡大自殺の個人テロだ。被疑者も受験生で勉強のストレスを感じていたことが供述から明らかになっているが、事件を起こせば受験がなくなるとか、最近の事件に触発されたとか、本人が腹の中に犯行計画を収めているかぎり、未然防止は難しい」


霞が関コンフィデンシャル「チーム岸田、厚労省への苛立ち、総務省の匿名幹部…」
 「実は、厚労省は新型コロナ対策のため首相秘書官候補に旧厚生畑から数名リストアップしていた。なかでも宮崎敦文氏(平成3年、旧厚生省)は首相側近の「必要条件」とされる開成高校卒で同省サイドが自信を持って候補に挙げた。
 しかし結果は前述したとおり。官邸は厚労省出身秘書官を廃し、財務省で厚労担当の長い宇波氏が登用された。


 ここにきて、にわかに「拡大自殺」という概念が注目されるようになった。
 かつて、海外で飛行機のパイロットが自殺するのに乗客を道連れにする事案があり、私も大変な衝撃を受けたのだが、「拡大自殺」は日本でも珍しくなくなったようだ。
 私見では、「拡大自殺」は、ヒトのDNAに組み込まれている「群居本能」に原因があるため、実に根が深い問題だと考える。
 周知のとおり、人間のDNAは群居性動物であるチンパンジーとほぼ同じであり、それゆえ、ひとりで生きることには不安を感じるし、ひとりで死ぬことにも恐れを抱くのではないかと思うわけである。
 ・・・そういえば、日本の政治家と官僚は、かつての藩閥政治にみるとおり、強固な群居本能を誇ってきた。
 現在の内閣も、首相の側近になる「必要条件」が「同じ高校の出身者であること」なのだから、かつての「藩」を「高校」に置き換えれば、同様の傾向が顕著になってきているように見える。
 これが怖いのは、「我々はみんなでこの方向に向かっているのだから、間違っていないのだ」という錯覚を生みやすいということである。
 
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知的信用(6)

2022年01月17日 06時30分53秒 | Weblog
≪東大刺傷≫「俺は東大を受験するんだ!」強行に及んだ男子生徒(17)は医学部進学実績全国No.1の超エリート男子高生だった
 「「特に医学部への進学実績が群を抜いていて、14年連続全国トップです。ただお勉強ばかり、というよりも自主性や個性を重んじる校風でもあります。私が通っていた頃は教室の後ろで焼肉をする生徒がいたり、教室にピザを大量にデリバリーしていた奴もいました。卒業式に馬に乗ってきた先輩もいましたよ。そしてそういう大それた行動が面白がられる雰囲気はあると思います。
 ただ、教員による指導は厳しい。2018年12月には男性教諭がしゃがんでいた男子生徒の顔を腹を蹴り、怪我を負わせています。私も在学時には髪の毛をつかまれたり平手で殴られたりといった体罰を受けたこともありました。
 いまも同じかはわかりませんが、私が在学していた頃は高校2年生時点の成績で高3のクラスが決まるんです。クラス分けが発表されるのは4月。だからちょうどいまくらいの時期に成績について思い悩む生徒もいたと思います」(同校卒業生)
」 

 まずは被害に遭われた方たちの回復を願います。
 この記事を読んで、私は、「知的信用(5)」で取り上げた「社会に出て問題を起こしてしまう法学部生」のことを思いだした。
 法学部・ロースクールの在校生・卒業生は窃盗や賭博をやってしまうが(没知性から窃盗・賭博へのロードマップ)、今回は医学部生の卵が殺人未遂を犯したというのだから恐ろしい。
 引用した記事は、この種の高校でどのような「教育」が行われているかを示していると思う。
 おそらくこのような「没知性化」が行われているだけでなく、ときには犯罪者まで生み出しているのである。
 
 
 
 
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格闘技系スポーツ(2)

2022年01月16日 06時30分47秒 | Weblog
「僕はうつ病になりました」朝倉未来が衝撃告白! 大みそか後の無気力状態を語る「夜中に生死を考えるぐらい」
 「逆に負けた時はやる気がみなぎっていたんです。でも、今回は人生の中で1、2を争うぐらいのプレッシャーの中での試合だったんで、勝利して、燃え尽き症候群かわからないですけど、食欲もなくなって何にもやる気が起きなくなりました。1日寝たら治るかなと思ってたんですけど、治らなかった

 格闘技系スポーツで触れたとおり、格闘技選手・愛好家の自殺率は高く、その要因として、「人を傷つけることに対する抵抗の弱さ」が指摘されている。
 だが、朝倉選手の発言を見ると、それ以外の要因もあるようだ。
 つまり、死力を尽くして戦った後の”バーン・アウト”も、高い自殺率の要因の一つではないかと思うのである。
 実際、イラク戦争からの帰還兵の自殺率は相当高かったらしく、これは、PTSDだけでなく、”バーン・アウト”があると見ることが出来そうである。
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1四歩

2022年01月15日 06時30分54秒 | Weblog
第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王(主催:毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟)衝撃の86歩&19手詰
 「(117手目の)同歩では1四歩が最善手だったようで、2五桂に2六歩と打って、桂を取りに行って、4五桂打ちなどを狙っていれば、先手が大優勢という局面だったようです。」(20:35付近~)

 なるほど。藤井竜王も最善手を見落とすことがあるのだ。
 AIを超えたという評価は保留のようである。
 
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8六歩

2022年01月14日 06時30分28秒 | Weblog
初心者でも分かる! 藤井聡太竜王 VS 渡辺明王将 衝撃の▲8六歩&奇跡の投了図 第71期ALSOK杯王将戦第1局ハイライト(主催: 毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟)
 41手目の藤井竜王の「8六歩」が奇手であった。
 プロならばほぼ全員が、「筋悪の手」と指摘するだろう。
 というのも、8筋にスキを作ることになるし、後手は8五歩の継ぎ歩から桂跳ねの筋を狙ってくるおそれがあるからである。
 ところが、AIの判断では、悪手とは断定できないそうである。
 むしろ、「渡辺王将の時間を大きく削り、深い研究を外す。結果的には大成功となった。」という評価が出来そうだ。
 時間が出来たら感想戦での藤井竜王の発言を分析してみたい。
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さらば、昭和の鬼たちよ(2)

2022年01月13日 06時30分33秒 | Weblog
【侍ジャパン】来春WBCへ栗山英樹新監督 巨人・坂本勇人の「信頼感」選考白紙でも特別な思い
 「代表選考は白紙を強調する。そんな中、WBC開催時は34歳、来季35歳シーズンを迎える巨人・坂本には特別な思いがある。
 「日本球界を支えてくれる、魂を持って、チームのために自分が死んでくれるという信頼感と尊敬が抜群にあるのは間違いない」


 「ノルマ制」を採用している会社では、おそらく、「自分を犠牲にして他人の分まで働いてくれる社員」は重宝され、出世していくはずである。
 そのようにして、会社は、「自己犠牲」を制度化しているわけである。
 ノルマ至上主義の会社においては、容易に想像されるように、「鬼軍曹」的な上司が頻出することになる。
 だが、「昭和の鬼」は、必ずしも鬼のような面構えをしているとは限らない。
 栗山監督のように、柔和な顔立ちの人物が、こんこんと「自己犠牲」を説くこともある。
 こういう一見すると優しそうな上司から、「お前は我が社を背負うエリートだ。だから、みんなのために死ぬ気で働く義務がある」などと説教されたら、ナイーヴな部下はあっさり洗脳されてしまうかもしれない。
 ちなみに、私が社会人一年目のころ、ある上司が、私を(おそらく)「栗山式」に「鍛え」ようとして説教したことがあった。
 だが、その際に使った言葉が良くなかったようで、私はその後中途退社してしまったのである。
 「君は、将来は本部に行ってもらって、頭が禿げ上がるくらい働いてもらうぞ

 
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言葉遣い(3)

2022年01月12日 06時30分37秒 | Weblog
神田沙也加 急逝直前に恋人から罵倒されていた《音声が存在》
 「問題の音声は、同棲生活を始めることを決めていたにもかかわらず、前山が沙也加に無断で契約した別のマンションを巡って、2人が口論する様子を収めたものだ。
 音声には、「死ね」という表現も複数回出てくる。前山からの繰り返される厳しい言葉に、沙也加は涙声で応じていた。


 かつて、親族から受けた一言のために重度のうつ病に陥った方の事件を受任したことがあった。
 その時痛感したのは、「寸鉄人を刺す」だけでなく、「言葉は人を殺す」ということである。
 改めて合掌。
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