たまにはレコードばかりじゃなくてCDも聴いてみようかと
取り出したのがカラヤンの低価格全集ボックスの中から
ベートーヴェンの「エロイカ」
オーケストラはもちろんベルリン・フィル(1975-1977録音の全集から)
CDの音自体は実験室の中、モニタールームの中みたいで
綺麗だけど熱気がなくて不満だが
そんな事ばかり言ってられない、我慢とか慣れるしかない
と思い直して集中して聴いたつもり
カラヤンの演奏は想像より早かった(トスカニーニ風?)
楽譜通り演奏しているのか
呼吸とか息遣いは、楽譜通りやっても違うんじゃないかな!
と、フト思ったりしたが、
案外明るい音色なのには、これもまた予想外
もっともベートーヴェンの若い時期の作曲だから
このくらいの音色のほうがいいかな
でも第一楽章の終盤になっても、それまでの音楽の経過はあまり関係なしに
ただの音響の連鎖になっているように感じられるのは残念
聴いている途中でフルトヴェングラーならどんな演奏だったかな
と気になって1楽章を終えた時点でCDをチェンジした
本当はレコードのベルリン・フィルのモノを聴こうと思ったが
比較する意味ではCDでベルリン・フィルのものがいいだろうと
定番のウィーン・フィルじゃない方を選んだ
(1950年6月のライブ)
すると、最初の音が随分違う
これが同じ音程、和音かと思うほど違う
フルトヴェングラーの方は重い、
録音の条件が違うから音の輝かしさなどは
カラヤンの盤には敵わないが、肝心なところの音は存外聞こえる
ロマン・ロランが巨人の行進(?)とか解説した部分の低音パート
第2主題の楽器間の受け渡し
ライブ演奏だけに勢いがある
始まってしまったら行くしかない!そんな感じ
でも前後の関係、流れが必然に思われて
楽章自体がひとつの生き物の様に思える
やっぱり、こっちのほうが(フルトヴェングラー)好きだな!
結局予想した結果に落ち着いた
それにしても、CDの音
何とかならないかな
楽器の音というより電気信号のような音でつまらない
プレーヤーを替えれば改善するのか?
しかし、オーディオショップでハイエンドのプレーヤーで聴いても
スッキリ、キレは良くても
音楽のリアルな熱気、感じは相変わらず不足
結局CDという媒体自体に問題があるのでは!
と結論せざるをえないような気がしている
懐古趣味とか骨董好きではなくて、
本当にいい音楽を聴きたいから
レコードを求めてしまうのだが、レコードはもう希少品になっている
ジャズはそこそこまだあるけれど
クラシックは悲惨なものだ
無くなってしまわないうちに
早く中古レコードショップに行かなくては!