タンホイザーはヴェーヌスの官能の世界から
抜けだして普通の世界に戻ろうとした
しかし、余りにも現実離れした理性中心の世界だけに
依存する考えを彼は認めることはできなかった
生物・人間として言葉を超えた会話である
肉体の交流はそれもまた愛と呼べるものである
しかし、世間はそんな思想を受け付けない
信仰と純粋な精神的な愛こそが本物であり
それ以外は受け入れられない
それが唯一の真実で、自分が実感として感じてきた世界を
全然認めないとするならば、
自分は再びヴェーヌスの愛の世界に戻ってしまおう
その時、奇跡が起きてタンホイザーを慕うエリーザベート
の死によってタンホイザーの悩める心は救済された
作曲家であり台本をも書き上げたヴァーグナーのタンホイザーは
大雑把にはこんな話だが、最近再読中のヘッセの「知と愛」も
これに似たテーマが扱われている
つまり言葉を必要としない愛の交流は
ある種の人間にとっては
ありきたりの普通の思想以上のものであるということ
現実には脳内の僅かな電流のなせる技
あるいはある物質の働きによるものにすぎないが
この作用になんと多くの人が振り回されるのだろう
ヘッセもヴァーグナーも正直な、洞察力のある
表現意欲のある創作家だったということだが
この様な人物の設定は日本ではあまりないかもしれない
日本なら漱石の「こころ」みたいな精神の悩みに純化されたり
浮気とか三角関係の感情の問題に力点が置かれたりして
真正面に生物としての人間の愛の形を問うことは
どこか現実離れしていると考えるのかも知れない
それにしてもタンホイザーの巡礼の合唱、好きだな
ヘッセの正直な洞察力と想像力を触発する文章も好きだな
ということで、来年のドイツの旅はヴァーグナーのバイロイトと
ヘッセの生誕地カルフに行くつもり
マウルブロンはどうしようかな
抜けだして普通の世界に戻ろうとした
しかし、余りにも現実離れした理性中心の世界だけに
依存する考えを彼は認めることはできなかった
生物・人間として言葉を超えた会話である
肉体の交流はそれもまた愛と呼べるものである
しかし、世間はそんな思想を受け付けない
信仰と純粋な精神的な愛こそが本物であり
それ以外は受け入れられない
それが唯一の真実で、自分が実感として感じてきた世界を
全然認めないとするならば、
自分は再びヴェーヌスの愛の世界に戻ってしまおう
その時、奇跡が起きてタンホイザーを慕うエリーザベート
の死によってタンホイザーの悩める心は救済された
作曲家であり台本をも書き上げたヴァーグナーのタンホイザーは
大雑把にはこんな話だが、最近再読中のヘッセの「知と愛」も
これに似たテーマが扱われている
つまり言葉を必要としない愛の交流は
ある種の人間にとっては
ありきたりの普通の思想以上のものであるということ
現実には脳内の僅かな電流のなせる技
あるいはある物質の働きによるものにすぎないが
この作用になんと多くの人が振り回されるのだろう
ヘッセもヴァーグナーも正直な、洞察力のある
表現意欲のある創作家だったということだが
この様な人物の設定は日本ではあまりないかもしれない
日本なら漱石の「こころ」みたいな精神の悩みに純化されたり
浮気とか三角関係の感情の問題に力点が置かれたりして
真正面に生物としての人間の愛の形を問うことは
どこか現実離れしていると考えるのかも知れない
それにしてもタンホイザーの巡礼の合唱、好きだな
ヘッセの正直な洞察力と想像力を触発する文章も好きだな
ということで、来年のドイツの旅はヴァーグナーのバイロイトと
ヘッセの生誕地カルフに行くつもり
マウルブロンはどうしようかな