パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

本当に進歩しているか?

2014年11月07日 19時58分45秒 | オーディオ
便利さは確かに格段に進歩している
しかし、肝心な音はどうか?
スペック上のことではなく、実際に耳で聴いた時の印象はどうか

レコードとCD、デジタル音源の比較のこと

デジタル機器の音楽をイヤホンで聞くと、とてもいい音と感じることがある
雑音がなくて、妙に鮮明で
しかし慣れるとそれ以上に音楽に浸ることの出来ない自分がいる

思い込みなのだが、音楽は空気を震わして耳に達するもの
イヤホンのような短い距離で音の減衰が少ないものは
音楽とは少し違うような気がしている

ということで、イヤホンを通じての音の違いは
ここではこれ以上話題としないことにして
普通のスピーカーを鳴らして味わう音楽について

レコードのほうが温かい音がする
これが一般的な表現
しかし、それだけではない
音の厚みが違う
内在するエネルギーが違う
CDなどは音量を大きくすると迫力がでても
それは単に音量が大きいというだけのこと

一方レコードは演奏者に近寄るような錯覚を感じさせる

演奏の善し悪しを判断するのに
レコードとCDを聞いたら
どちらを聴いたかで随分評価は変わりそうだ

思えば、CDで感動したことは少ない
レコードは裏返す作業すら気にならないくらいに
音楽に浸ったことが何回もある
しかし、CDは、、、

冒頭に述べたように便利さは格段にCDの方が便利
この便利さが唯一の価値基準として大手を振っているのが
どうも我慢できない
人間の感性はどうなってしまったのか?
本当にこれでいいのか?
音楽と言うものに対して、本当にこの様な再現の仕方で良いのか

そんなことすら考えなくなって
単に手軽さだけに流されていく
それは本当に良いことなのだろうか?

レコード好きは単に古い物好き
ではない、本当に音楽を体感したいだけ
CDがレコードのレベルの音ならば喜んでCDの世界を認める
しかし、残念ながらそれは無理のよう

何十年前のレコード芸術と言う雑誌を読み返した
CDが出始めの頃の本で
レコードから音源がCDになって音が良くなったと
評論家が述べていた
しかし、今読むとそれは嘘だな感じる

もちろんレコードとCDの音の違いは
あの当時のほうが明瞭に聞き分けられただろう
聞いたことのない音の感覚は
いい音と感じたのもわからないでもない
また非接触の媒体のための無音(休符)の深さも
なんとなく理解できる
しかし、音楽と言う時点からすると
音楽ではなくなってしまっているような気がしてならない
何かが違う
大切な何かが欠落している

今の世の中は全てがこんな感じだ
便利だが何かが欠けている
本当は欠けてはいけないものが
そしてその欠けていることすら感じないで
今を反射神経の良さと運と度胸で生きて
世の中の無駄なもの、弱いものには関心がない

何かを感じる
感じなければ感じる人の言葉も響かない
こうしたコミュニケーションができなくなって
ますます、現在進行形の人間ばっかりが存在する様になると
どこか怖い気がしてならない

それにしても、CDの音とレコードの音の違いから
こんな話に展開するのは
ちょっと無茶苦茶だったかな
コメント
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