今年の目標は「昨年よりもたくさんの本を読むこと」
というのは、少しばかり情けないあまり生産的な目標ではないが
お金のかからない経済的・効率的な楽しみだ
ところが、今年最初の読み終えた本というのがなかなか出てこない
昨年からの続きの「シュメル」人類最古の文明 小林登志子著は
併読中の「個人と社会」オルテガ著よりはあっさり読めるものと思ったが
内容が専門的すぎて、しかも覚えにくい人名がいくつも出てきて
バベルの塔の話、洪水伝説の話、楔形文字、印鑑の話などの大した知識がなくても楽しめるところ以外は
残念ながら目は文字を追っただけとなった
それでも最後のページまでやっとのこと到達
さて次は読みかけのオルテガに移ろうとしたが、不意に読んでみようかと思いついたのが
買ったまま本棚に飾りっぱなしのプルーストの「失われた時を求めて」を上下二冊にした本(鈴木道彦・編訳)
この20世紀を代表するらしい本は購入時に少し目を通しただけで、その長ったらしい文章にこちらの気力がついていけずにいた
そう言えば同じく20世紀を代表するジョイスの「ユリシーズ」も結局のところ読み終えることができなかった
これらの本は体力・気力のある時期に読まないと結局読めそうにもないが、それでも読んでみようという気になったこのタイミングを逃すのはもったいない
まずは最初のページ、スワン家の人々やゲルマント一家の人々の家系図と経歴が書かれている
こんなに大勢の人が登場するならば、誰が誰だか分からなくなるのは必至
早くも最後まで読めないだろうという気持ち(不安)が襲ってくる
しかしとりあえず読み始めた
老眼にも少しは優しい文字の大きさ、寝転がって文字を追う
段落がなくページ全体に文字が目一杯なのはちょっと気力が続かない
でも、案外面白いかもしれない、、、ってのが第一印象
数ページ読んだだけで、今度は読みかけにしたままでは忌々しいと気になっているオルテガの「個人と社会」が気になりだした
それで一区切りついた部分で、オルテガの方に移った
ところが、ここでびっくりすることが起こった
なんとこのオルテガの本のなかに「失われた時を求めて」のことが、それも先程読んだばかりの登場人物のことが書かれていた
なんというタイミング、偶然の一致がまたもややってきた
心理学者のユングが唱えた「共時性」(シンクロニシティ)が現れたのだ
自分にはこの手のことが時々ある
きっと自分だけでなく多くの人の中にもあることだろう
これらは単なる偶然の一致かもしれないが、それでもそのように冷静に捉えるのはもったいない気がして
何か意味ある啓示として捉えたほうが損はないだろうと考えることにしている
「失われた時を求めて」を読むのは必然だから、気張って読まねば、、、というわけだ
それにこの様な偶然の一致があったときは、ちょいと運が向いているかも知れない、、などと
根拠のない自信が湧き上がってくるし気分も良い
ということで、今は頑張るつもりでいるが、読み終えられるかな「失われた時を求めて」
(無理かな、、その時はその時で仕方ない、、)