同じ距離を経験しているのに、帰り道の時間のほうが行きの時間より短く感じることがある
心理学的に説明がつきそうでも、その答えを知らないでいるが
本を初めて読んでいる時と二回目以降読んでいる時の違いに似ている気がする
初めて読む本はまさに「体験している」という感じ
先に何が出てくるかわからない
実際の生活の上での対処のようで自動的に処理できるものもあれば
いちいち全力で当たらねばならないことであったり
それらが渾然一体となって襲ってくるようで、それは受動的と言うよりは能動的な体験だ
この体験は一気にいろいろやってくるので、理解をするには(頭の中を整理するには)時間がかかる
実際、読み終えた数日後の方がスッキリとまとめられて理解できていそうな気さえする
その点、二回目以降は体験の記憶を呼び起こし、更に連想を加えるだけの作業になる
問題はどちらのほうが面白いか!という点
何が何だか解らなくても、その場に自分がいて、試行錯誤しているようなナマの体験をしている方が圧倒的に面白い
これは音楽でも一緒
耳が新鮮な体験となるように、現在予習をしないでコンサートに向かうのはこのため
大好きなブルックナーの8番を無理して聞かないでいるのは、コンサートの現場で新鮮に感じたいからだ
もっと解りやすい例では、飲ん兵衛の人がお酒を美味しく感じるために、飲む時間まで水物を取らない
のと同じ、、、