ワールドカップ決勝戦、アルゼンチン対フランス
戦う前はフランスのほうが少し有利だと思っていた
守りもフィジカル的に優れた選手が多く
ブロックを組めばアルゼンチンは攻めきれないと思っていた
ところがサッカーは相手あってのこと、見事に予想は外れた
外れたのは結果だけでなく、試合展開の方だ
前半はフランスのシュートがゼロ
要注意人物になると予想したグリーズマン、ジルーは
少しも良いところがなかった
(だから早いうちに選手交代があった)
それだけアルゼンチンの試合の入り方は良かったと言える
一対一の競い合う場面でもたくましさとか気持ちが溢れて
試合は2−0のまま終わるかもしれないとさえ思った
一般的に2−0は危険な点数で、日本も手痛い記憶があるが
後半になってもそんな危険な感じはしなかった、、
フランスがドイツなら、もう少しひたひたと押し寄せる
迫力みたいなものがあるが、フランスは、、、
そんなことを思っているといきなりPKになった
アルゼンチンの一点目がPKだったから、試合全体の流れはこれで帳尻が合う
エムバペは取れない位置に強く蹴り込んだ
その1分後、メッシから奪ったボールがフランス選手に渡って
ふんわりとエムバペのもとに、これをダイレクトボレーで同点に
たった数分の間に試合展開はわからなくなった
ここで面白かったのはベンチに退いたディ・マリアの表情だ
自身のゴールで勝ちを確信した彼は、喜びで泣きそうな表情をしていた
ところがあっという間の同点で、一気に顔の表情は不安が表に
2−0の試合は危険で、追いついたほうがイケイケになるので逆転になることが多い
これを逆転されない様にするのはなかなか難しい
だがアルゼンチンはここからがしぶとかった
試合の流れを変えるべく仕切り直しをしてゲームにあたった
リアルタイムで見ていた時はフランスは逆転はできないだろうと想像した
これから先どんな結末が待っているか、、と誰しもが思うが
マラドーナの大会の決勝戦も同じような状況になったことを思い出した
あの時もアルゼンチンがドイツに対し2−0でリードした
ところがしぶといドイツが2点追いつく
その後、マラドーナのパスから決勝点が生まれアルゼンチンが勝利したが
この試合もそのようなことになるのではと頭に浮かんだ
そして実際のところ、アルゼンチンがメッシのゴールで3−2となった
歴史は繰り返す、、これで終わりと思ったが、それで終わらなかった
この試合は白熱したゲーム展開というよりは、勝ち負けの振り子が
神様もまるで悩んでいるかの様にあっちに振れたりこっちに振れたりした
アルゼンチンの選手のハンドでPKはその現れだ
結局PK戦に
キーパーは当たってるという感覚はアルゼンチンの方にあった
(終了直前のセーブが素晴らかった)
フランスのキーパーは、メッシのPKでも不安そうな表情が見えた気がした
メッシはすごいな!と改めて実感したのがあのPKだった
先行のエムバペが届かないところに強くキックしたあと
メッシはすべての流れを分断するような、
あるいは流れをアルゼンチンに引き寄せるようなゆるいキックをした
(流れを変える時は時々こういうキックが現れる)
フランスの2番目のPKキッカーはプレッシャーを感じているのが表情に見られた
プロの世界はミスしたほうが負ける
結局のところ、アルゼンチンは4人全員が成功
フランスは2人が失敗となった
アルゼンチンの4人目のキッカーはハンドをしてしまった選手で
彼が勝負を決める役割となったのは、サッカーの神様の粋な図らいのように思えた
ということで決勝は延長、引き分けののち、PK戦でアルゼンチンの勝利となった
勝負は時の運というものの、やはり勝つべきチームが勝ってほしい
この試合の勝利に値するのはアルゼンチンの方だったように思う
それにしても選手とか対戦国の人たちは、感情の振幅が大きすぎて
疲れた試合だったと思われる
一喜一憂したワールドカップはこれで終了
メッシはご褒美をもらえたようだ