パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

問題は既存メディアとSNSの覇権争いではなく、、、

2024年11月20日 09時35分39秒 | あれこれ考えること

今回の兵庫知事選については一段落したところでも
依然として話題となっている
既存メディアが凋落して、SNSの選挙対策ツールとしての
爆発力は今後更に重要となるだろう、、とか

でもそうした一般論で済ますのも少し違う気がする
今回のSNSで威力を見せたのはXとYoutubeだ
その中で圧倒的な視聴数を稼いだのが立花孝志氏のよるものだ
(再生回数は信じられないほど多い)

その立花氏の動画はかなり一方的で客観的な事実とは異なるものが多い
彼がこれが真実だと言うのは、少しばかり怪しい
知人が紹介してくれた彼の動画を見ると
パレードのキックバックはなかったと信金の代表が言っていたから
キックバックがあったとするのは間違いとしている
だが、同時期に信金に補助金がでたのは事実で
この問題の当事者は本当のことを話すかどうかは疑問で
そう疑われても仕方ないと思う

次に百条委員会でPCの中にあった不倫の話を取り上げなかったのは
何かを隠していると断罪しているが、そもそも百条委員会は法的に
個人的な問題を除いて聴くことができるとなっていて
聞かなかったのは隠すのではなく、法的に聞かないようにとの制限があるためだ

そして片山副知事は文書が「真実相当性がない」と判断して県民局長を
問い詰めたが、真実相当性があるなしは該当者の彼が判断できる立場にはなく
第三者に委ねるべき問題だ
だからこそスタッフの中にはそれをアドバイスした人がいた

このように素人でわかるように立花氏の理屈はかなり雑だ
今回の一番の問題は、そうした怪しい情報を信じてしまう人の多いことで
彼らの多くはYoutube見ると同様な内容におすすめが出てくるから
その思考から離れられなくなることだ

その結果、手続き上の法的なこと、公益通報の処理の仕方を説明しようとしても
彼らは一切受け付けない
そして悪口の伝搬の速さの威力で一気に空気感を作ってしまう

人には性善説と性悪説があるが、人の本質はどちらかに偏るものではなく
あるときは性善説、あるときは性悪説となるのが普通と経験から思う
そして普通の人は自分の中に潜む悪意を自らの力で抑え込む
だが、その悪意を法的に問題ないからと塀を越えてしまう人が近頃の人々だ
法的に問題ないのではなく、倫理的にそういうことはしないのが
常識であったことが、やすやすと超えられてしまう

それは法の不備とは違う
人間性の堕落だ
人の中に潜む獣性や残酷さ、負の感情
それらを踏まえたうえで人は人らしい振る舞いを行おうとする
その自己コントロールができない人が、悪意に満ちた感情を煽る行動をする

人は結婚報道より離婚報道の方に惹きつけられる
良い情報より何かを批判する内容に惹きつけられる傾向がある
その悪意を利用したのが立花氏

ナチスは「シオン賢者の議定書」いう偽書をさんざん利用して
ユダヤ人の虐殺の正当性を推し進めた
つまりは仮想敵を作って感情を煽り、圧倒的な空気感を生み出した

以前にも取り上げたが、容易に騙されてしまう人の存在は
前提としての知識不足がある
騙されないためには一人ひとりが賢くなるしか手はない

こうして書いているとなんかイライラしてきたり
未来が不安になってきた

今回はSNSの法的不備だけの問題ではなく、
執行猶予中の立花氏の責任を問うべきだと思う

ところで自分は「民意が正しい」とは思わない
民意も間違うことがある
それが民意によるナチスの台頭だ

民意は少ない判断材料で狭い視点での考え方をしそうだ
民意の対する不安があるからこそ多くの国で二院制をとって
再チェックを行う様になっている

それにしても、困った状況にあると思っているのは杞憂なのだろうか



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