パンセ(みたいなものを目指して)

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都合良く使われそうな民意

2024年11月12日 09時45分09秒 | あれこれ考えること

東三河最大の都市、そしてお隣の都市が豊橋市
我が市からの豊橋に通勤している人も少なくない
だが、そんな身近なところでも知らないことや関心のないことはあるものだ

豊橋市は10日に市長選挙が行われ、前市議会議員の長坂なおとさんが
選挙で新アリーナ建設に反対、即時契約解除を掲げて接戦のすえ
現職の浅井由崇氏を破り当選を果たした

今朝の中日新聞ではすぐさま工事などの契約解除に取り組むとあった
選挙の約束ごとだからそれは当然と思われるが、フトこれは法的に
市長の一存で決められることなのだろうか?と疑問を覚えた

事業者との契約は議会の議決を得ているはず
予算の執行は議会の承認があるからこそ正式な契約となっていると思われる
すぐさま契約解除というのは、それは果たして市長の権限でできるのだろうか
(アメリカの大統領はなんとなくできそうなイメージだが)

そもそも自治体の首長を選ぶということは、実質的には有権者が首長に
自治体のお金の使い方を任せるということだ
(首長に予算編成権とか提案権があるということ)
ただし、その提案が適切かどうかは不安なので、制度として
有権者からそのチェックをすべき人物として選挙で議員が選ばれ
その集合体として議会が設けられる

つまりは有権者から選ばれた議員たちが首長の予算案にお墨付きをつけて
物事は進んでいくようになっている
この議会は現実には首長の追認機関と言われることが多く
それは制度的に首長の権限が強すぎて、議員は実質何もできないから
と解説してくれる人がいたが、そんなものなのか、、
とわかった振りをするしかなかった
いずれにしても議会の存在を無視して行政(市長)は何かを進めることはできない
と思われるので、市長単独で決めるということはできるのかな?と思ったわけだ

この豊橋市長選挙の投票率43.43%
国政ではなく自治体の選挙ならもう少し高いものとかってに思っていたが
半分もいかないとは意外だった(新アリーナ建設で揉めてると思っていたし)
ところでアリーナ建設を進めた浅井氏との票数の差は4397票だ
(長坂氏 45491票 浅井氏 41094票)
この数字が大きいのか小さいのかの解釈は、今後いろんなところで議論されると想像する

よく使われる民意というものが、それぞれの都合の良い解釈で使われることは多い
票差の少なさと投票率の低さで、アリーナ建設反対が民意だったとは言い切れない
と口にする人たちが出てきそうなのは想像できる

そこで少し古い話だが、過去には新城市では住民投票が行われ
ときの市長案による新庁舎建設にはノーの結果が出たが
結果を受けて首長の口からでて都合良く使われたのが以下の言葉だった
「投票にいかなかった人も思いも勘案して、、、」

さて豊橋市は市民の半分以上いかなかった人の判断をどのように判断するのだろう
半分いかなかったとしても、統計上の傾向はそんなに違いないから
この結果は一般化できるとするのか
それとも単なる有権者の判断に過ぎないとするのか
(そもそも数字というものはどんな時も利用する人の都合の良いものになりがちだ)

結局のところ、いかような解釈が可能な投票にいかなかった人たちの数を
できるだけ少なくするような努力が必要と思われる

ところで豊橋市は首長が再選されなかったことで、議会もお墨付きを与えた計画を
考え直さなければならなくなるだろう
その時、彼ら議員たちはどういった態度でこの問題に向かうのだろう
直近の民意は、再戦されなかったことでアリーナ計画反対と解釈して
過去の判断を訂正するのか、それとも議会は議会で自分たちの判断は適切だったとして
新市長との意見の相違を際立たせるのだろうか

現在の豊橋の状況は市外の人間にはわからないし権限もない
だからできるだけ良き方向に向かってほしい願うだけだ
そしてもしいい方向に進めば、お隣の我が市にもいい影響がでてきそうな気も、、、




コメント
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