季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

2年の重さ

2012-04-16 21:28:25 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブにて。

部屋に着いたら寝転がっている彼。ゴロゴロ。
起こさないように気を付けたけど私が入ったら起きた。
「昨日断酒2年表彰でした。」だって。「それはそれはおめでとうございます!」
こういう時は色紙にその人の断酒の仲間が寄せ書きを書くことになっていて、私も書かせてもらった。
一日一日を繋げた2年間、これからも一日一日繋げて行って下さいね。
と書いて周りに花を巡らせた。

ハンドワークにはフェルトなど作る事以外に、修理をしたいと来る人が結構いる。カバンのほつれやファスナーの取り換え、ジーンズの破れやブレスレットの糸替え。
今日はジャケットのボタンをプラスティックのから金のボタンに替えたいと言う彼。今までやったことのないボタン着けにチャレンジ!
もう一人ジャケットがほつれてきたので直したいと。

彼と話すのは結構面白い。患者さんの視点からこのクリニックの事を伝えてくれる。
今日も今度のミーティングまでに考えるテーマを聞いて深いし難しいと思った。禅問答みたい。
「こんなに勉強してみんな仙人みたいになっちゃうんじゃない?」って言ったら
「先生が言ってはったで、断酒一年するのは東大に入るより難しいって。」
やっぱりそうか!そうだと思ってた。
みんな本当の意味で命がけで勉強をしたり断酒会に行ったりしている。それはどんな受験生にも負けないくらいの重さと深さとしんどさだ。

断酒2年の彼とも話したけど、お酒をやめたらなんでも解決!すぐに虹色の人生!ってわけではなくて、それまで人生のほとんどだったお酒がない暮らしをするんだから、それを埋めるのとそれまでに取り掛からなかった体の事も含めての様々な問題に取り組んでいく事は大変な困難を伴う。
一度他の人に聞いたのが、「断酒なんかせーへんかったらこんな大変な目に会わへんかったのに!」って言う事。それくらいしんどいらしい。
お酒をやめてからが苦しみの始まりだそうだ。でもやめてなかったら生きてなかったけどね。

だから寝てばかりでもなにもしなくても断酒を2年もしたって事はすごい事だ。私もこの仕事に長年ついていてようやくその重さがわかるようになってきた。
その暮らしと命の重さ、見ています感じています。これからも生きて下さいね。本当にそう思う。
Comments (2)
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