北大路機関

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北部方面隊総合戦闘力演習、8月23日~9月14日に北海道大演習場などで実施

2010-07-25 23:13:25 | 防衛・安全保障

◆15000名が参加

 北海道新聞によれば、陸上自衛隊北部方面隊は15000名の人員を以て来月、総合戦闘力演習を実施するとのことです。

Img_8394  総合戦闘力演習 来月に初の実施 陸自北部方面隊(07/24 08:22) 陸自北部方面隊(司令部・札幌)は23日、道内の全4師団・旅団などが連携して敵の侵攻に対処することを想定した、初の「総合戦闘力演習」を、8月23日から9月14日まで、北海道大演習場(千歳市、恵庭市)などで実施すると発表した。

Img_1567  参加するのは北部方面隊を構成する北部方面総監部、第2師団(旭川)、第7師団(東千歳)、第5旅団(帯広)、第11旅団(真駒内)などの隊員約1万5千人。ヘリコプターや戦車などを使用した防御、攻撃の実動演習のほか、補給機能の広域運用、航空自衛隊や海上自衛隊との連携作戦なども行う予定。 ◆http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/242908.html
Img_8173  北部方面隊は冷戦時代、ソ連極東軍に最も近く、戦略上の要衝にあったことから旭川、帯広、札幌、千歳に師団を置いて機械化を重視、方面対直轄火力も優先的に配備されてきた経緯があります。今日では、札幌と帯広の師団が旅団へ縮小されていますが、自走砲や戦車の近代化では全国的にも優遇されています。

Img_1649  北海道に多くの部隊が配備されている背景には、北海道には矢臼別演習場や北海道大演習場など長距離射撃や連隊戦闘団規模での実動訓練が可能な演習場があり、近年では北海道に多くの部隊を配置して、有事の際には戦略予備として全国に展開させる、という運用が想定されており、今回の方面演習は北部方面隊の位置づけに対する一つの回答となるのでしょう。

Img_8040  方面隊規模の演習といえば、志方総監時代にかなり大きな防災演習が実施され、確か一般公開された方面隊演習も行われたように記憶するのですが、今回の演習は1万5000名と、規模は陸上自衛隊としては大きいです。北方機動演習、現在の協同転地演習でも6000名程度が参加しますが、それと比べても規模は大きいですね。

Img_7927  日本に戦車が必要か、という議論が交わされる中で、重装備を揃えた北部方面隊ですが、結局のところ近代的な軽装備の部隊が支えた状況を打破するのは重装備による機動打撃であるのですし、その能力の意義は高いです。一方で、年間演習計画の師団検閲、旅団検閲の時期を調整しなくてはこの種の演習は難しく、かなりの無理を強いているのでは、という気もします。来年度以降定期的に実施される可能性についても興味がわきます。

HARUNA

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コメント
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