北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十二年度七月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報2

2010-07-09 13:03:44 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 一日遅れの行事予定、南西諸島がキナ臭いですが今週末に行われる予定の自衛隊関連行事は、真駒内駐屯地祭、富士駐屯地祭、長沼分屯基地祭の三つです。もうひとつ、東京港にフランス艦が入港中、鹿児島港では港まつりが実施予定。

Img_8991_1  真駒内駐屯地は札幌市にある第11旅団司令部が置かれる駐屯地です。第11旅団の行事に行ったことが無いので、第10師団の行事写真を掲載します。真駒内駐屯地は札幌市内の駐屯地なのですけれども、思いの外広く陸上自衛隊有数の面積を誇るとのことです。しかし、地下鉄で行くこともでき、営門は地下鉄自衛隊前駅からすぐとのこと。

Img_2408  旅団は第18普通科連隊、第10普通科連隊、第25普通科連隊、第28普通科連隊と第11戦車大隊、第11特科隊、第11高射特科中隊、第11施設中隊、第11後方支援隊、第11飛行隊を基幹編成としています。隷下には真駒内駐屯地、丘珠駐屯地、滝川駐屯地、函館駐屯地があります。

Img_19033  旅団行事ですから、全ての駐屯地から部隊が参加することでしょう。その昔は倶知安駐屯地に対戦車隊と普通科連隊が駐屯していたのですが旅団化とともに廃止され、倶知安駐屯地はそれ以降、北部方面隊直轄部隊である北部方面対舟艇対戦車隊の駐屯地となりました、96式多目的誘導弾の部隊ですね。

Img_3734  師団時代は北海道の中枢、札幌の防衛を担う師団であり、青函地区を含む道南地域を防衛警備管区とすることもあり、四個普通科連隊を基幹とする甲師団編成をとっていましたが、師団を旅団とする関係から現在では定員は半数以下に縮減、多くの部隊が規模を縮小されています。

Img_13739   普通科連隊も本部管理中隊、中隊本部機能を重視した五個普通科中隊と重迫撃砲中隊から成る編成を師団時代にはとっていたのですが現在は編成を簡略化した三個普通科中隊と本部管理中隊を基幹とする編成に縮小されています。しかし、その分、装甲車の配備密度を向上させた、とのことで打撃力は一定のものを維持しているようですね。

Img_9056_1  戦車大隊は二個中隊削減されましたが大隊編成を維持、90式戦車を装備しています。真駒内駐屯地だけで普通科連隊、戦車大隊、特科隊、高射特科中隊、施設中隊、偵察隊、後方支援隊が駐屯していて、札幌市内の駐屯地という事ですが広いと言われる駐屯地の規模の大きさが垣間見得るようです。

Img_6951  富士駐屯地の富士学校は先日特集記事を掲載しましたが、普通科学校、特科学校、特車学校としていた職種教育機関を統合して誕生した学校で、普通科部、特科部、機甲科部と実動部隊としての富士教導団を隷下に有しています。さらに、部隊訓練評価隊も隷下にあり、富士学校で錬成した最新の戦術と部隊運用で全国の部隊を評価するFTCを運用しています。

Img_6630  この中で最大の部隊、富士教導団を見てみましょう。普通科教導連隊、戦車教導隊、特科教導隊、偵察教導隊、教育支援施設隊、教育隊から編成されていて、普通科教導連隊は各種装甲車等を装備する四個普通科中隊、対戦車中隊、重迫撃砲中隊を基幹とした編成となっています。

Img_6552  戦車教導隊は五個戦車中隊を基幹としていてその打撃力は大変なもので、第一中隊、第三中隊、第四中隊が74式戦車を運用、第二中隊、第五中隊が90式戦車を運用しています。特科教導隊は、特科中隊六個を基幹編成としていて、FH70,99式自走榴弾砲、203mm自走榴弾砲、MLRS,88式地対艦誘導弾を中隊ごとに装備しています。これら装備が登場する観閲行進はまさに迫力の一言でして、東千歳駐屯地祭か富士駐屯地祭か、陸上自衛隊機械化部隊の迫力はこのどちらかが最大規模のものといえるでしょう。・・・、規模では東千歳の方が大きいのですが、まあ、富士は近いですし、ね。

Img_9401_1  長沼分屯基地。航空自衛隊千歳基地の分屯基地で夕張にあります。ペトリオットミサイルの高射隊が展開している分屯基地で、千歳基地の第3高射群隷下にある第11高射隊、第24高射隊が長沼分屯基地に置かれているのですが、長沼は言った事が無いので第12高射隊の車両を貼ってみます。

Img_9394_1  長沼はかつて固定発射式のナイキミサイルを設置しようとした際に保安林設定解除に反発した住民が自衛隊を提訴、長沼ナイキ事件として憲法裁判となったことが有名で、日本憲政史上唯一、自衛隊の違憲判決が札幌地裁で出された事で有名ですが、まあそれは別の話です。長沼の行事は土曜日、お間違えの無いように。

Img_0832  鹿児島港自衛隊みなと祭り、基地祭ではありませんが、かなり規模が大きいので紹介します。鹿児島港谷山一区8号岸壁において10日と11日、護衛艦ちょうかい、護衛艦あさゆき、護衛艦せんだい、が入港します。この行事、口蹄疫や天候によって注視か行事内容が変更される可能性がある、と書かれているのですけれども、本日1930時の時点では注視するというような発表はありません。

Img_0779  護衛艦あぶくま、から見た、まつゆき。こんな感じの体験航海でしょうか。鹿児島みなと祭りですが、10日の1330~1530に護衛艦あさゆき体験航海、11日の1330~1530に護衛艦あさゆき、せんだい体験航海が予定されているほか、10日に青少年体験航海として1330~1530に護衛艦せんだい、が参加します。土曜日日曜日と0900~1630で陸上自衛隊車両の一般公開、艦艇一般公開は10日と11日に0900~1100と1330~1630に行われ、乗艦は終了30分前までですが、護衛艦を見学することが出来ます。

Img_1455  冒頭に南西諸島がキナ臭い、と掲載したのですが、中国メディアの引用として共同通信が東シナ海で艦艇数十隻と航空機数十機が参加する実弾演習が実施されていて、電子戦訓練も行われているとのこと、米韓合同演習をけん制する目的では、と言われているのですが、先日の日米豪演習に対抗しているようにも。こういう時だからこそ、鹿児島港で9500㌧もあるイージス艦ちょうかい、の威容を見上げて抑止力を確認したいところです。

Img_0025_1  フランス海軍のフリゲイト、ヴァンデミエール(Vendémiaire)が木曜日に東京港へ入港しました。月曜日まで停泊している予定です。日本にはよく入港する艦で、確かPSI訓練の際にも着たように記憶しますが、写真が無いので大きさが違いすぎますが、強襲揚陸艦ミストラル東京入港の写真で代用。

Img_0004  ヴァンデミエールは通報艦として海外植民地警備用に6隻が建造されたフロレアル級の一隻で、1993年に就役しました。満載排水量2900㌧と、あぶくま型程度の排水量なのですが15ノットで10000浬という長大な航続距離を誇ります。エクゾセ艦対艦ミサイル、100㍉単装砲とヘリコプターを搭載していて、海上自衛隊の護衛艦には見られない装備を揃えているほか、在外自国民救出任務に備え海兵隊一個小隊の居住区画を有しています。ちなみにディーゼル推進。

Img_0051_1  現在はフランス海軍太平洋海軍管区に所属しています。艦長はPierre-Yves Grente海軍中佐。フランス艦の東京港入港は強襲揚陸艦ミストラル入港以来で、海上自衛隊からは護衛艦たかなみ、をホストシップとして派遣します。艦長は澤口和彦2佐。出航は12日月曜日1000時の予定。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント (12)
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