◆二ヶ月間で北海道・青森41往復!
朝日新聞によれば舞鶴地方隊の輸送艦のと、が二ヶ月間に及ぶ災害派遣任務を経て舞鶴基地へ帰港したそうです。小型輸送艦ながら北部方面隊管区と東北方面隊管区を実に41往復し、災害派遣任務の一端を支えたようです。
被災地で2カ月、任務終え帰港 海自舞鶴の輸送艦:2011年5月22日・・・被災地から戻った輸送艦「のと」=舞鶴市長浜 東日本大震災の発生以来2カ月あまり、海上自衛隊舞鶴地方隊から東北方面へ災害派遣されていた輸送艦「のと」(乗組員約35人)が21日、京都府舞鶴市に帰ってきた。
「のと」は震災が起きた翌日の3月12日未明に舞鶴を出港。北海道と青森県の間を41回行き来して、陸上自衛隊の隊員や車両、重機などを輸送してきた。大型トラックだけで約70台を運んだという。沢井正明艦長は「少しでも被災地のお役に立ちたいという思いで活動してきました」と話した。(伊藤誠)http://mytown.asahi.com/areanews/kyoto/OSK201105210105.html
輸送艦のと、は、ゆら型輸送艦の二番艦で満載排水量710㌧、海上自衛隊の自衛艦としては最も小型の艦です。ディーゼル二基の3250馬力により12ノット、CICは無く揚陸指揮は艦橋で行い輸送能力は人員70名と車両4両と非常に限られてはいるのですが、乗員は31名定員とされているため、今回の災害派遣に際して充足率100%以上の35名と乗員数を増勢した事に舞鶴地方隊の今回の災害派遣への姿勢が見てとれます。
それにしても驚かされるのは二ヶ月間の災害派遣任務において北海道と青森県、この区間を41往復した、ということでしょう。特に八戸港等は津波被害を受けており、報道発表によればこうした被害を受けた港湾においても任務を遂行しているのですけれども、往復に要する期間を差引いても三日間で二往復した、という程度の高水準で、ここまで継続して任務に当たれる事が出来たのか、と率直に驚きました。
この種の輸送艦の能力を改めて再確認するとともに、現在地方隊の輸送艦は、5地方隊にたいして、ゆら型2隻と一号型輸送艇2隻と非常に限られており、これは過去にも記載したのですが過去にあったような各地方隊に3~4隻の輸送隊を再建する事、これは今回の災害派遣に置いて多くの必要な装備が再認識されているのですけれども、その筆頭に並ぶ一つの事項なのかな、と感じました次第。それにしても、御苦労さまでした。
HARUNA
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