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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

CV-22オスプレイ可動翼機、2017年より10機がアメリカ空軍横田基地へ配備開始

2015-05-12 23:44:38 | 国際・政治
■沖縄負担軽減の政治的象徴へ
 アメリカ国防総省は、アメリカ空軍の新型特殊戦航空機CV-22を2017年より横田基地へ配備する発表を行いました。

 現在、沖縄の普天間基地へ米海兵隊のMV-22可動翼機24機が配備されていますが、今回新たに配備される発表が行われた機体は空軍向けのCV-22可動翼機で特殊作戦航空機として運用される機体で、2017年に3機が配備され2020年までに10機が配備されることとなります。

 これは基地負担軽減の省庁となり得るやもしれません、むろん軍事的というよりも政治的な意味として沖縄の基地負担軽減に関する大きな政治的象徴という意味ですが。何故ならば2020年にはV-22系統、所謂オスプレイの配備数が沖縄と本土で機数が逆転する為です。

 沖縄は普天間基地の第36海兵航空群が第262海兵中型可動翼機飛行隊と第265中型可動翼機飛行隊の24機のみ、対して横田基地へ10機が配備され、佐賀空港へ新設される新駐屯地へ陸上自衛隊水陸機動団支援用のV-22が17機配備されるので、沖縄24機に対し本土27機、と逆転する、これこそ沖縄の基地負担軽減の象徴といえるでしょう。

 CV-22は現在空軍が戦闘捜索救難用に運用するHH-60特殊戦ヘリコプター、愛称ペイブホークの後継機として配備される航空機です。HH-60は航空自衛隊や海上自衛隊も救難用に運用するUH-60と同型機ですが、米空軍では戦場へ友軍機が不時着若しくは撃墜された場合に、脅威状況下へ敵を排除し乗員救出へ向かう戦闘捜索救難へ航空機を運用しています、この為に特殊戦用の機体、ということ。

 HH-60の後継機であるCV-22を横田基地へ配備する事は、沖縄の基地負担軽減を最大限配慮したものです、こういいますのもHH-60は嘉手納基地の第18航空団所属であり、横田基地の第374輸送航空団の機体ではありません、横田基地にはVIP輸送へUH-1を運用する第459輸送飛行隊も展開していますが、戦闘救難は戦闘機を運用する第18航空団の任務であり、嘉手納基地へ配備されるべき機体を横田基地へ配備する事となったかたち。

 嘉手納基地から離れた地域へ戦闘救難任務に当たる特殊作戦ヘリコプターを配備する事への不具合ですが、まず、CV-22の戦闘行動半径が非常に広い点、そして戦闘救難任務の想定を行う必要がない平時の救難任務については航空自衛隊の那覇救難隊がUH-60JとU-125を運用しており自衛隊により対応できる点、更に嘉手納基地の第18航空団と並び三沢基地にF-16を運用する第35戦闘航空団があり、その作戦管区は日本全土を含めている為沖縄ではなく本州に展開したとしても対応できる、という意味もあるでしょう。

北大路機関:はるな
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コメント (1)
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