■日本版アルファジェットの現実性
前回からT-4練習機が純粋な練習機として完成した背景を掲載しました、その続き。
T-4練習機の軽攻撃型、実現すればアルファジェットのような航空機となったか、T-4練習機の機外搭載能力は1.3t、アルファジェットは2.5t、少々搭載能力は異なりますが、専用の攻撃機ほどではないにしろ一定の戦力投射は可能となるでしょう。何よりも数が多いわけですから、その分の補正があるわけです。
亜音速機ですので近接航空支援へは当時の超音速機よりも進入経路への自由度は高くなりますし、運動性の高さは超低空侵攻を可能に、複座型が基本の練習機ですので、目標情報と評定や前線航空統制要員との連携も単座よりは有利であると考えられていました、更に搭載量が少なくともクラスター爆弾を使用すれば一発で広範囲を一挙に制圧できました。
更に、航空自衛隊にはF-4やF-1といった対地攻撃能力を、F-4の場合はEJ改まで制限された状態ですが、保持する航空機がある中で、F-1は対艦戦闘、F-4には防空戦闘という重要任務への対応で手いっぱいとなる可能性が高く、近接航空支援及び航空阻止攻撃に専従出来得る航空機というものの意義は性能以上のものがあるといえるやもしれません。
しかし、開発が見合わされた背景には、軽攻撃型を前提とした設計を行うことは、例えば前線飛行場での運用を想定すれば着陸機構一つとっても非常に複雑化してしまいますし、火器管制装置や航法装置の高度化、整備体系の戦闘運用への一体化などを以て機体の製造費用が大きく増大してしまいます、これではかなりの機数を必要とする新練習機体系には合致しない、こうした背景があったわけです。
さて、こうした背景を元に開発されたT-4練習機は運動性と操縦性が良好でブルーインパルスにも採用、更に整備性の高さなどでも知られ、操縦要員以外に整備要員の養成にも大きく寄与しています。これにより200機以上の調達が実現しました。また、操縦技量維持や連絡任務にも活躍している航空機で、練習以外の実用機として機能、原子力事故では集塵線量測定支援にも活躍しました、ね。
この後継機ということで、問題が大きいわけです、すでに生産が終了していますので、再生産を行うことは難しい、対して需要は200機という大きなものですから、毎年20機という大老生産を行っても10年分の需要、国産かライセンス生産を行うか否か、この選択は我が国航空防衛産業の長期的な生産能力の維持にも大きな影響を与えるものです。
T-4は素晴らしい練習機ですが、いくつかの点で限界があるもので、一つは1980年代の戦闘機要員養成を念頭とした航空機です、操縦計器はすべてアナログ方式であり、フライバイワイヤ操縦系統も採用されていません、対して新練習機は2020年代の戦闘機操縦要員の養成がもとめられますので、このあたりの必要性能が違ってくるのです。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
前回からT-4練習機が純粋な練習機として完成した背景を掲載しました、その続き。
T-4練習機の軽攻撃型、実現すればアルファジェットのような航空機となったか、T-4練習機の機外搭載能力は1.3t、アルファジェットは2.5t、少々搭載能力は異なりますが、専用の攻撃機ほどではないにしろ一定の戦力投射は可能となるでしょう。何よりも数が多いわけですから、その分の補正があるわけです。
亜音速機ですので近接航空支援へは当時の超音速機よりも進入経路への自由度は高くなりますし、運動性の高さは超低空侵攻を可能に、複座型が基本の練習機ですので、目標情報と評定や前線航空統制要員との連携も単座よりは有利であると考えられていました、更に搭載量が少なくともクラスター爆弾を使用すれば一発で広範囲を一挙に制圧できました。
更に、航空自衛隊にはF-4やF-1といった対地攻撃能力を、F-4の場合はEJ改まで制限された状態ですが、保持する航空機がある中で、F-1は対艦戦闘、F-4には防空戦闘という重要任務への対応で手いっぱいとなる可能性が高く、近接航空支援及び航空阻止攻撃に専従出来得る航空機というものの意義は性能以上のものがあるといえるやもしれません。
しかし、開発が見合わされた背景には、軽攻撃型を前提とした設計を行うことは、例えば前線飛行場での運用を想定すれば着陸機構一つとっても非常に複雑化してしまいますし、火器管制装置や航法装置の高度化、整備体系の戦闘運用への一体化などを以て機体の製造費用が大きく増大してしまいます、これではかなりの機数を必要とする新練習機体系には合致しない、こうした背景があったわけです。
さて、こうした背景を元に開発されたT-4練習機は運動性と操縦性が良好でブルーインパルスにも採用、更に整備性の高さなどでも知られ、操縦要員以外に整備要員の養成にも大きく寄与しています。これにより200機以上の調達が実現しました。また、操縦技量維持や連絡任務にも活躍している航空機で、練習以外の実用機として機能、原子力事故では集塵線量測定支援にも活躍しました、ね。
この後継機ということで、問題が大きいわけです、すでに生産が終了していますので、再生産を行うことは難しい、対して需要は200機という大きなものですから、毎年20機という大老生産を行っても10年分の需要、国産かライセンス生産を行うか否か、この選択は我が国航空防衛産業の長期的な生産能力の維持にも大きな影響を与えるものです。
T-4は素晴らしい練習機ですが、いくつかの点で限界があるもので、一つは1980年代の戦闘機要員養成を念頭とした航空機です、操縦計器はすべてアナログ方式であり、フライバイワイヤ操縦系統も採用されていません、対して新練習機は2020年代の戦闘機操縦要員の養成がもとめられますので、このあたりの必要性能が違ってくるのです。
北大路機関:はるな
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