■海洋自由原則へ日米協力
ロイター通信などによれば、南シナ海において日米が哨戒任務等において協同を検討している、とのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/c4/b0957be5b4b7f4f5cba6dc75947d034c.jpg)
南シナ海は北東アジア地域と東南アジア地域の中間にあり、多くの国々の島嶼部が連なる海域ですが、現在、中国が南沙諸島紛争を筆頭にその海域を事実上自国領域へ編入し、その占有への行動と周辺国への海軍力を用いた示威行動が拡大しており、刻々とその緊張度合が高まっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/ec/0d9246c99c94ac21199185406ce34f74.jpg)
日米の共同について具体的には、日米の防衛当局間では我が国の安全保障関係法整備を前提として、哨戒機による洋上哨戒等を展開するものが想定されているとのこと。更に、東南アジア諸国の哨戒活動を支援する形ともなり、併せて友好国の航空基地を海上自衛隊機などが補給や整備用に使用する検討事項の可能性も示唆されたもよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/a0/f9b66557b619978a6d450004aeb448d1.jpg)
海上自衛隊は昨日、フィリピン海軍との合同演習を実施し我が国では大きくは報じられませんがフィリピン国内ではトップニュースとして報じられ、特に自国領域の一部を中国へ不法占拠されているフィリピンでは海軍力の抜本的強化が進められており、アジア地域最大規模の海上防衛力を有する海上自衛隊との連携強化に意欲的です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/81/b9335f7e4224fb2bea12847483ae4cc3.jpg)
併せて、近年海上自衛隊の練習艦隊による東南アジアへの外洋練習航海や遠洋練習航海の親善訪問が訪問国での歓迎行事が大きく報じられ、信頼醸成と災害対処を主眼としたパシフィックパートナーシップ演習では実際に演習実地国であるヴェトナムがその直前まで続いた中国公船による不法採掘行動等が自衛艦の往来により停止した事例もありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/70/28d0a01e610667fd4998ef992802f6dd.jpg)
南シナ海は我が国にとり重要なシーレーンでもあります、重要なシーレーンとしてマラッカ海峡の石油タンカー交通が提示されますが、マラッカ海峡だけであれば石油価格の上昇と引き換えにより豪州大陸やインドネシア南方海域を迂回する事は可能です、しかし南シナ海は東南アジアと北東アジア地域を結ぶ唯一の海域であり、この海域の海洋自由原則は我が国と東南アジア諸国の非常に大きな関心事です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/04/5441a5460fa2ca4f52b836fd3befc887.jpg)
今回必要とされるのは、中国の排除ではなく海洋自由原則の明示であり、海洋占有は許されないという原則の堅持を示すことです。ここ数年間、この地域において戦前より海洋自由に関する諸国を支援し続けてきたアメリカが積極的行動を避けている事から、力の空白を醸成してしまった事は否定できません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/fa/07bc7838f9e6289831deaa46a7ab0587.jpg)
一方、なぜ今か、という視点ですが南シナ海では南沙諸島の環礁など浅瀬を埋め立て基地化工事が数か所で進められており、今後比較的短期間のうちにレーダーサイトや滑走路へ戦闘機部隊が展開する事で排他的行動を採りうる態勢が確立してゆくことは必至の状況であり、ここ数年間の軍事力の不均衡と空白が、一線を超える前に、というみかたがあるのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b1/c0c8e3ec8e44f9754d74a69fcbaaf391.jpg)
なお、南シナ海では既に2012年の段階でインド海軍が横須賀基地を親善訪問した際、東南アジア諸国との協力による哨戒任務への海軍部隊派遣の検討を発表しています。その後の親善訪問は定期的に続いていますが、この行動が実現する場合、インド海軍との連携、他の東南アジア諸国海軍との協同も視野に含められると考えられます。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
ロイター通信などによれば、南シナ海において日米が哨戒任務等において協同を検討している、とのこと。
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南シナ海は北東アジア地域と東南アジア地域の中間にあり、多くの国々の島嶼部が連なる海域ですが、現在、中国が南沙諸島紛争を筆頭にその海域を事実上自国領域へ編入し、その占有への行動と周辺国への海軍力を用いた示威行動が拡大しており、刻々とその緊張度合が高まっています。
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日米の共同について具体的には、日米の防衛当局間では我が国の安全保障関係法整備を前提として、哨戒機による洋上哨戒等を展開するものが想定されているとのこと。更に、東南アジア諸国の哨戒活動を支援する形ともなり、併せて友好国の航空基地を海上自衛隊機などが補給や整備用に使用する検討事項の可能性も示唆されたもよう。
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海上自衛隊は昨日、フィリピン海軍との合同演習を実施し我が国では大きくは報じられませんがフィリピン国内ではトップニュースとして報じられ、特に自国領域の一部を中国へ不法占拠されているフィリピンでは海軍力の抜本的強化が進められており、アジア地域最大規模の海上防衛力を有する海上自衛隊との連携強化に意欲的です。
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併せて、近年海上自衛隊の練習艦隊による東南アジアへの外洋練習航海や遠洋練習航海の親善訪問が訪問国での歓迎行事が大きく報じられ、信頼醸成と災害対処を主眼としたパシフィックパートナーシップ演習では実際に演習実地国であるヴェトナムがその直前まで続いた中国公船による不法採掘行動等が自衛艦の往来により停止した事例もありました。
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南シナ海は我が国にとり重要なシーレーンでもあります、重要なシーレーンとしてマラッカ海峡の石油タンカー交通が提示されますが、マラッカ海峡だけであれば石油価格の上昇と引き換えにより豪州大陸やインドネシア南方海域を迂回する事は可能です、しかし南シナ海は東南アジアと北東アジア地域を結ぶ唯一の海域であり、この海域の海洋自由原則は我が国と東南アジア諸国の非常に大きな関心事です。
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今回必要とされるのは、中国の排除ではなく海洋自由原則の明示であり、海洋占有は許されないという原則の堅持を示すことです。ここ数年間、この地域において戦前より海洋自由に関する諸国を支援し続けてきたアメリカが積極的行動を避けている事から、力の空白を醸成してしまった事は否定できません。
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一方、なぜ今か、という視点ですが南シナ海では南沙諸島の環礁など浅瀬を埋め立て基地化工事が数か所で進められており、今後比較的短期間のうちにレーダーサイトや滑走路へ戦闘機部隊が展開する事で排他的行動を採りうる態勢が確立してゆくことは必至の状況であり、ここ数年間の軍事力の不均衡と空白が、一線を超える前に、というみかたがあるのでしょう。
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なお、南シナ海では既に2012年の段階でインド海軍が横須賀基地を親善訪問した際、東南アジア諸国との協力による哨戒任務への海軍部隊派遣の検討を発表しています。その後の親善訪問は定期的に続いていますが、この行動が実現する場合、インド海軍との連携、他の東南アジア諸国海軍との協同も視野に含められると考えられます。
北大路機関:はるな
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