北大路機関

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【京都幕間旅情】護浄院清荒神,雪残る京都の節分神事は如意ヶ岳の白大文字と火で清める仏法の守り手

2023-02-12 18:15:14 | 写真
■セッツブーン二〇二三
 今年は節分も賑わいが戻ってきたよう思うのです。

 白大文字、というように勝手に読んでいるのですが、これは京都の冬の風物詩とおもっています。前は北大路機関の資料庫からもみえたのですが、悲しいかなとなりに高い建物が建ってしまいまして壁しか見えません。スペース金閣寺基地とかいろいろあったのですが。

 如意ヶ岳の大文字は五山送り火で有名ですが、この火床のあたりまでは自由に登山道が整備されていますので、夜景を眺めにちょっとだけ登山、という方も多い。さすがに高すぎるぞ、という方には左大文字山が標高が低く散策ついでにはお勧めといえるかもしれない。

 護浄院、今回散策に寄りましたのは京都御所にほど近い、しかし白大文字が参道からよく見えるという堂宇です。荒神口バス停、この名前を市内をバスで移動する際にお気づきの方も多いでしょう、ここが荒神さん、ここでは白大文字を見上げつつ節分神事が行われた。

 宝亀3年こと西暦772年までこの御堂の歴史はさかのぼります、時の光仁天皇、その皇子であらせられる開成皇子が遠く摂津国勝尾山にて修行のこと、荒神と邂逅するという縁がありまして、開成皇子はその様子を彫像し、御所に小さな堂宇を建て祀ったのが始まり。

 節分のこの日、一部にはセッツブーン!、と賑わうところもあるようですが護浄院清荒神さんのところも節分会でにぎわっています、ここは焚火で熱しましたお神酒を竹盃として節分に際してご志納とともに供していまして、まあ節分だからいいよね的な雰囲気も漂う。

 上京区荒神口通寺町東入ル荒神町、ここは京都御所の東側、鴨川に挟まれた一角にありまして、実は別表神社はじめ寺社仏閣が多く集まる一角なのですが、観光地のような喧騒とは無縁であり、観光地で思い切りいい写真を撮る、と気取らない散策にはお勧めとおもう。

 寺町通沿いですので、しかし実はあの新京極、今年が150周年ということですけれども、修学旅行生の定番というその新京極通に並行している寺町通が、伸びて伸びて御所のあたりまで散策しますと、この堂宇に至ります。ただ、徒歩では25分ほどかかるみちのり。

 寺町二条の界隈は古くには古書店などが並んだといいまして、まあ確かにあるにはあったのですが、今は入れ替わりが激しい一角という印象です。しかし街路が整備され、ここは事なのか、と思ったところに町家があったりで、今出川通くらいまでの散策は愉しいもの。

 荒神、こう文字に起こしますと、NHKさんが怪獣映画のような番組をやってくれましたので、御所に怪獣でも飼っていたのか、ガメラかよ、とおもわれるかもしれませんが、荒神というのは僧侶を不浄から守り、またかまどの神様のこと、ご飯を炊いたりするところ。

 金剛山にて役小角が修業をしていたところへ降臨した、という飛鳥時代の伝説があるものなのですが、密教における不動明王のような憤怒の表情という佛神でして、しかし大陸における荒神信仰はヒンドゥー教の神のうち仏教に帰依した神様を指すという解釈もある。

 かまどの神様、ヒンドゥー教の話まで進みますとかまどの神様とのつながりがわかりにくくなるのですが、もともとは仏僧を不浄から守るという神様です、これは信仰の広がりとともに伽藍などを守る、という概念に発展してゆきまして、そこから火を司る事となった。

 不浄から守る神様で不浄を祓うといえば古来からわが国では火が用いられましたし、また伽藍を守るというものでは伽藍の最大の敵は火災である。故にこう火の用心に信仰が移りまして民間では火といえばかまどだ、と崇敬されるようになりましたのが、荒神さんです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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