■臨時情報-トルコ南部地震
崩れている建物の様子が阪神大震災よりも遥かに多い状況故に心が痛むのですが。
トルコ南部地震、犠牲者は2万4000名という状況でして、行方不明者の救出を進めれば進むほどに犠牲者の素ゆじだけががってゆくという状況です。阪神大震災の様な直下型地震が脆弱な建物を襲い、トルコの耐震基準は近年強化されているものの、耐震基準通りでは中所得層には建築費が大き過ぎる点が、脆弱な建物を多くした状況があります。しかし。
内戦中のシリア領内、反政府勢力掌握地域での被災状況が、全く支援が届かないという点で深刻です。10日に国連の車両が漸く人道物資を搭載し到着しましたが、人道物資は毛布とテント、被災地が必要としているのはまだ瓦礫の下で助けを待つ膨大な行方不明者を救出する建設機械と専門のレスキュー要員ですが、こうした支援の手は伸びていません。
シリア領内へ、例えばPKO部隊等を派遣し一時的に人道支援を実施した場合にシリア政府軍からの攻撃等を阻止する人道介入ができれば理想的なのですが、現在のPKOは2002年依然と異なり、安全保障理事会の所管である為に大規模地震災害が果たして安全保障理事会を招集する対象であるかについても、現在の国連は前例踏襲主義を堅持する状況です。
紛争地での人道問題、これは大規模災害であった場合でも国連以外の主権国家が紛争当事国の了承なしに介入することは、いわゆる“国境を越えた義務”のような人道介入として看過しうるのか、それとも政党政府との紛争問題に発展する可能性から自重するべきなのか、国際人道法は、地域紛争や内戦を扱っても紛争地での大災害には未着手という部分が。
PKO国連防護軍など、安全保障理事会の所管以外での、国連人道支援軍のような組織を総会において、これは恰も過去、スエズ危機に際して安保理の米ソ対立による拒否権行使が朝鮮戦争のような国連軍編成にたどり着けず、国連総会が独自のPKO国連平和維持軍という新組織を立ち上げた様な、こうした決断が必要なのかもしれません、前例を覆して。
国連憲章には加盟国の義務として国連の支援義務が明記されています、その支援の定義が曖昧ゆえに国連創設当時の各国軍隊の指揮系統統一というような壮大な展望は、そもそも軍事参謀委員会さえ70年近く招集されておらず、30年以上前の湾岸戦争の際には、軍事参謀委員会室の鍵が見つからないと騒がれていましたが、各国へ支援要請位はだせるはず。
復興やインフラ整備についても、反政府勢力掌握地域での復興支援は、ともすれば反政府勢力支援と反論され、支援国が係争当事国になりかねないという非常に大きな問題を突き付けるのですが、他方今回の震災の破壊状況を見る限り、だからと言って反政府勢力の減衰に繋がる様子をシリア政府が奇貨として受け取ることを看過することもまた人道問題だ。
今回の巨大災害は、震災という点単体で見ても悲劇的なものでしたが、内戦中の国、しかも一方が交戦団体承認を受けず単なる一般刑法犯として戦闘員が裁かれる事例があった内戦の地域における大規模災害と国家承認などを棚上げしての支援の枠組み、こうしたもののあり方も、次に続かないでほしいのですが、次の災害に備え、検討が必要なのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
崩れている建物の様子が阪神大震災よりも遥かに多い状況故に心が痛むのですが。
トルコ南部地震、犠牲者は2万4000名という状況でして、行方不明者の救出を進めれば進むほどに犠牲者の素ゆじだけががってゆくという状況です。阪神大震災の様な直下型地震が脆弱な建物を襲い、トルコの耐震基準は近年強化されているものの、耐震基準通りでは中所得層には建築費が大き過ぎる点が、脆弱な建物を多くした状況があります。しかし。
内戦中のシリア領内、反政府勢力掌握地域での被災状況が、全く支援が届かないという点で深刻です。10日に国連の車両が漸く人道物資を搭載し到着しましたが、人道物資は毛布とテント、被災地が必要としているのはまだ瓦礫の下で助けを待つ膨大な行方不明者を救出する建設機械と専門のレスキュー要員ですが、こうした支援の手は伸びていません。
シリア領内へ、例えばPKO部隊等を派遣し一時的に人道支援を実施した場合にシリア政府軍からの攻撃等を阻止する人道介入ができれば理想的なのですが、現在のPKOは2002年依然と異なり、安全保障理事会の所管である為に大規模地震災害が果たして安全保障理事会を招集する対象であるかについても、現在の国連は前例踏襲主義を堅持する状況です。
紛争地での人道問題、これは大規模災害であった場合でも国連以外の主権国家が紛争当事国の了承なしに介入することは、いわゆる“国境を越えた義務”のような人道介入として看過しうるのか、それとも政党政府との紛争問題に発展する可能性から自重するべきなのか、国際人道法は、地域紛争や内戦を扱っても紛争地での大災害には未着手という部分が。
PKO国連防護軍など、安全保障理事会の所管以外での、国連人道支援軍のような組織を総会において、これは恰も過去、スエズ危機に際して安保理の米ソ対立による拒否権行使が朝鮮戦争のような国連軍編成にたどり着けず、国連総会が独自のPKO国連平和維持軍という新組織を立ち上げた様な、こうした決断が必要なのかもしれません、前例を覆して。
国連憲章には加盟国の義務として国連の支援義務が明記されています、その支援の定義が曖昧ゆえに国連創設当時の各国軍隊の指揮系統統一というような壮大な展望は、そもそも軍事参謀委員会さえ70年近く招集されておらず、30年以上前の湾岸戦争の際には、軍事参謀委員会室の鍵が見つからないと騒がれていましたが、各国へ支援要請位はだせるはず。
復興やインフラ整備についても、反政府勢力掌握地域での復興支援は、ともすれば反政府勢力支援と反論され、支援国が係争当事国になりかねないという非常に大きな問題を突き付けるのですが、他方今回の震災の破壊状況を見る限り、だからと言って反政府勢力の減衰に繋がる様子をシリア政府が奇貨として受け取ることを看過することもまた人道問題だ。
今回の巨大災害は、震災という点単体で見ても悲劇的なものでしたが、内戦中の国、しかも一方が交戦団体承認を受けず単なる一般刑法犯として戦闘員が裁かれる事例があった内戦の地域における大規模災害と国家承認などを棚上げしての支援の枠組み、こうしたもののあり方も、次に続かないでほしいのですが、次の災害に備え、検討が必要なのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)