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ウクライナ情勢-ロシア軍第247親衛空挺連隊長相次ぐ損耗と交代,東部戦線北部でのロシア軍攻撃が顕著に低下

2023-10-06 07:00:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ナゴルノカラバフにしてもコソボにしてもロシア平和維持部隊が機能していない為に地域紛争が再発する事例が出ています、これはいずれ日本を含め世界の負担となり得る。

 ロシア軍第247親衛空挺連隊長が3名辞任ないし戦死しているとのこと、将官さえ戦死している状況ではありますが9月23日付のイギリス国防省ウクライナ戦況報告において、空挺軍のなかでも最強と位置づけられる一つの連隊だけで親衛空挺連隊長が昨年2月以降次々と戦死しており、それだけ戦闘が激化しているとイギリス国防省は分析しています。

 第247親衛空挺連隊は緒戦でコンスタンチンジゼフスキー大佐が激戦地ミコイアイウで戦死し、今年8月にピョートルポポフ大佐が軍上層部を戦死者の遺体を後送しないことに抗議して辞任していて、その後任となったワシリーポポフ大佐が9月に入りオリキウ地区の戦闘で戦死したとのこと。連隊長以外の将校や兵士の損耗も高いと考えられる。

 空挺軍について、繰返す表現ですが空挺兵は一朝一夕に再編できるようなものではありません、いや、第二次世界大戦では、だからこそ連合軍もオーバーロード作戦やマーケットガーデン作戦など投入の時機を充分に計算していたのですが、こうした精鋭部隊の消耗は戦争そのものよりも、ロシアのポテンシャルそのものに影響を及ぼすように考えます。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 東部戦線北部での異常です。

 東部戦線北部でのロシア軍攻撃が顕著に低下しているという。ISWアメリカ戦争研究所9月23日付戦況分析において概況を示しました。これはGURウクライナ軍情報総局のブダノフ中将からの発言によるもので、ロシア軍は北部を占領していたロシア軍第41諸兵科連合軍を南部に転進させ、代えて第25諸兵科連合軍を派遣したとのこと。

 第25諸兵科連合軍は部隊の交代に難渋しており、この結果第41諸兵科連合軍の南部転進を急遽中部のバフムト占領軍へ転用したことで混乱が生じ、全般的な攻撃能力低下に陥っている、という。こうした混乱を背景にウクライナ軍は南部での反撃を順調にすすめており、ヴェルボヴェでの突破成功に続いて戦果拡張を続けているという。

 ヴェルボヴェでの突破は、ウクライナ軍が22日にBMP-2装甲戦闘車とMRAP耐爆車両とともにロシア軍が敷設した竜の歯と対戦車壕と塹壕陣地の三点からなる防衛線を突破している映像を示しており、23日までに撮影された民間衛星写真においてもその情報を裏付ける突破の様子が確認されているという。想定以上に展開がはやい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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