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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

「上海の長い夜」を想う!(不安を観る 10/10)

2011-09-29 | 第四章「愛とゆるし」

 今日は、八王子で太極拳の練習がある。A先生から習うのであるが、ワクワクする。昨年の終わりごろに、「生き甲斐の心理学」の恩師や同志を交えてのパーティでA先生に初めてお会いし、そのときのご縁がきっかけで、八王子に太極拳のサークルを立ち上げで練習するようになったのだ。

 私も還暦になり、健康のために何かと思っていたり、生き甲斐の心理学の同志の何人かが太極拳をされて勧めていただいた経緯もあったからでもある。実際にやり始めてみると、太極拳だけでなく、関連する動気功や五禽戯までお教えいただき、その奥行の深さに驚いてしまう。

 ところで、今から20年前に、私の父が亡くなった。あと数日で命日を迎える。

 父は67歳でがんを患い、病院の治療の甲斐もなく亡くなったのだ、亡くなる一週間前くらいまで仕事に出かけたりして、身体はともかく心は元気だった。そんな父であったが、亡くなる前、一冊の本を読んでいた。それが「上海の長い夜」(チエン・ニエン著 原書房)であった。そして、読み終わったので、お前も読むかということで父から譲り受けたのだ。

 そんな本をもらって、まもなく父は亡くなったが、長編でもあり、きっかけを失い20年近く積ん読になってしまっていた。

 それが、太極拳を学び始めたり、A先生の上海でのお話などもきっかけで、今年その長編を読んだ。

 主人公は、中国の文革の時代、夫が上海のエッソで働いていたことから逮捕され、文革の嵐の中6年以上投獄等の困難の中を生き抜く。終始、無実を一貫して主張していく姿。そして、病苦、厳しい環境、時には想像を絶するような脅迫の中で生き抜く姿に感動した。

 不安等のストレス曲線のオンパレードであるのだが、何故生き抜くことができたかは、「生き甲斐の心理学」で考えると、まさに理論通りなのである。

 何のために生きているか?生き甲斐は何か?という自己実現の問いかけに、様々な意味で回答しているように思う。自分の娘に会いたいという熱望。カトリックの信仰。独房の中で、窓から落ちてきた枯葉一枚、あるいは蜘蛛一疋に生き甲斐を見つけたり、厳しい尋問を孤独よりは良いと前向きに楽しむ姿。

 さて、自己実現の問いかけには、生き甲斐の心理学で3つめの問いがある。それは、「自分を大切にしているか?」という問いである。自分とは身体と心(成育史)と魂からなるものであると考えると、身体を大切にしているか?成育史からなるこころを大切にしているか?魂を大切にしているか?という問いかけに分解できる。

 「上海の長い夜」の中で、主人公は様々な危機を乗り越えていくが、一番印象的だったのは、尋問で手錠を後ろ手にずっとはめられて生活をするところである。当然、食事も困難になるのだが、叡智をしぼり食事をとるところであった。身体を大切にするとは、そういうことなのかと飽食の時代を生きてきた私は納得した。

 話は少しずれるが、最近、いろいろなところでガイガーカウンターで放射線量を測ったり、東京で放射線量の多い葛飾区に住む娘や孫の日常に触れたりしてきた。その中で、一番抵抗があったのは、砂場で子供が遊ぶことであった。葛飾区の調査などで砂場にセシウム等が微量にせよ含有されていたり、例えば0.2μSvくらいかもしれないが、年間1mSvを時間当たりに勘算しての0.114mSvを超える線量が明らかなのである。孫かそういった環境にいること。これも考えさせられる。

 自分を大事にすること。今日は一日考えてみたい。

不安を観る 10/10

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