花粉症がもう去ったとばかり思っていたら、ひどい花粉症の症状が出た。そういえば、この1週間くらい薬を飲んでいなかった。
東京に行ったときはそれほどひどくなかったのだが、昨夜は眼が覚めてしまって眠れない。とはいっても少しは寝た。そしてそのとき夢を見たらしい。
大学院の学生のときに有名なハイトラーの「輻射の量子論」を購読で読んだ。その中でこれまた有名なクラインー仁科の公式を計算した。何度も計算ミスを繰り返し、正しい結果が出るまでに3日ほどかかった。
その後には電子の対創成の計算があったが、ここはとうとう正しい計算はできずじまいであった。まあ、クラインー仁科の公式がこの本のハイライトであるからというわけで、それでお茶を濁してしまった。
大学院の一年のころ、ほぼ毎日あるセミナーのためにハイトラーを自分で読んで計算をフォローしていた頃、親友のY君がいつも私の研究室を夜の8時頃訪ねて来るのでいつもハイトラーを読む時間が取られてしまって困った。
Y君はユーニクな実験家であったが、彼はいつもフラストレートしていた。それで彼の話を毎日何時間か聞くことが多かった。
ときには早めに下宿に帰ってハイトラーを読むこともあったが、大体は大学の研究室で本を読むことにしていたので、いつもこのY君の訪問との葛藤に苦しんだ。頭の鋭くない私には本を読んで理解するのに時間が必要だったのだ。
現在は仕事場に訪れる人はほとんどいない。だが、さびしいと思ったことはない。十分に時間があるはずだが、それでもその時間を十分に活用しているかどうかはわからない。やりたいことはやまほどあるが、それも夢のまた夢である。
例えばその内の一つにしか過ぎないが、Pauliの量子力学の本を心ゆくまで読んでみたいと思っている。だが,まだそういう時間がとれてはいない。
ところで昨夜見た夢はよくは覚えていないのだが、このハイトラーに関係した話だったらしい。もうそういうことは完全に忘れていたのだが、潜在意識で何十年か前に戻ったらしい。
この購読の指導をしてくださったO先生も先年亡くなった。もう一人のS先生は健在だが、かなりのお年となっている。