物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

Heitler 's "Quantum Theory of Radiation"

2008-05-09 12:06:04 | 物理学

花粉症がもう去ったとばかり思っていたら、ひどい花粉症の症状が出た。そういえば、この1週間くらい薬を飲んでいなかった。

東京に行ったときはそれほどひどくなかったのだが、昨夜は眼が覚めてしまって眠れない。とはいっても少しは寝た。そしてそのとき夢を見たらしい。

大学院の学生のときに有名なハイトラーの「輻射の量子論」を購読で読んだ。その中でこれまた有名なクラインー仁科の公式を計算した。何度も計算ミスを繰り返し、正しい結果が出るまでに3日ほどかかった。

その後には電子の対創成の計算があったが、ここはとうとう正しい計算はできずじまいであった。まあ、クラインー仁科の公式がこの本のハイライトであるからというわけで、それでお茶を濁してしまった。

大学院の一年のころ、ほぼ毎日あるセミナーのためにハイトラーを自分で読んで計算をフォローしていた頃、親友のY君がいつも私の研究室を夜の8時頃訪ねて来るのでいつもハイトラーを読む時間が取られてしまって困った。

Y君はユーニクな実験家であったが、彼はいつもフラストレートしていた。それで彼の話を毎日何時間か聞くことが多かった。

ときには早めに下宿に帰ってハイトラーを読むこともあったが、大体は大学の研究室で本を読むことにしていたので、いつもこのY君の訪問との葛藤に苦しんだ。頭の鋭くない私には本を読んで理解するのに時間が必要だったのだ。

現在は仕事場に訪れる人はほとんどいない。だが、さびしいと思ったことはない。十分に時間があるはずだが、それでもその時間を十分に活用しているかどうかはわからない。やりたいことはやまほどあるが、それも夢のまた夢である。

例えばその内の一つにしか過ぎないが、Pauliの量子力学の本を心ゆくまで読んでみたいと思っている。だが,まだそういう時間がとれてはいない。

ところで昨夜見た夢はよくは覚えていないのだが、このハイトラーに関係した話だったらしい。もうそういうことは完全に忘れていたのだが、潜在意識で何十年か前に戻ったらしい。

この購読の指導をしてくださったO先生も先年亡くなった。もう一人のS先生は健在だが、かなりのお年となっている。


花と植物

2008-05-09 11:42:09 | 日記・エッセイ・コラム

仕事場の鉢植えのネギが花を咲かせていた。いつも鉢植えに水を一日に一回やっている。先日数日留守にしたときに他の草がしおれて枯れたかと思ったが、水を2、3日やったら、元のように元気をとり戻してアオアオとしてきた。生きのいいのは気持がいい。

深紅のシクラメンの花が一輪だけ今もきれいに咲いている。朝鮮に住んでいた4,5歳のとき、字が少し読めるか読めないかの頃に本を読んでシクラメンという花の名前を知った。といっても名前だけで現物のシクラメンを見たことがあった訳ではない。それから数十年して30数歳のときに初めてシクラメンという花を見知った。

ということは前にも書いたことがあるかもしれない。普通の人が知っている花も植物も私にはあまり関心がなかった。今でも関心があるとはいえない。鳥を見ても鳥としか分からない朴念仁である。食べ物も特に食い道楽であるわけでもない。

何がおもしろくて生きているのかと不思議に思う方もあろう。そう思われても仕方がない。だが、自分では人生を退屈したことはあまりない。それはしかしどうしてなんだろう。