NHKの「プロフェッショナルの条件」を昨夜初めてはじめから見た。いつも火曜日の夜はテニスなので帰って来て、風呂から出た後に見るので、途中から見るのが常である。
映画監督の堤幸彦さんという方が出ていた。今、撮っている映画に吉永小百合さんが出演している。吉永さん演ずる女性の夫が亡くなったので、吉永さんが回想して懐かしがるという場面で、はじめ吉永さんは涙を流して回想するという風に演じたのだが、堤監督はその場面に違和感を感じて明るく微笑んだ場面として演じて下さいと吉永さんに頼む。
そうすると吉永さんは明るく微笑んだような顔で演じる。若い俳優さんなら涙を出す場面で目薬をさすのだろうが、吉永さんぐらいの芸達者になると自分の感情で涙を自然に出すことができるらしい。そのことも大変な驚きなのだが,監督にいわれて演じ方を簡単に変えることができるという俳優さんのすごさを感じた。
なお、堤さんは吉永さんにはほとんど演技の指導を行ってはいなくて、吉永さんの解釈による演技にほとんどまかせていたのだが、ここだけは監督としての直感を重視して演じ方を変えてもらったということであった。
俳優が俳優なら、監督も監督であって、それぞれがそれぞれになかなかできることではない。