毎年のことだが、いま城山が新緑である。新緑と言ってもまだ緑色ではなく、黄緑とかむしろいくらか赤みがかった黄緑色である。いつもは深い緑の城山であるが,この季節だけ山全体が大きく色を変える。これを見て「ああ松山の春だ」と思う。
この城山が松の山であったから、松山と言われるようになったともいうが、現在はこの城山はほとんど椎の木が多くて松山ではなくて、椎山だと数年前にテレビで聞いた覚えがある。
松山に住んでいる人の望みは(1)城山の見えるところに住み,(2)道後の湯に入ることだという。ところが残念ながら、城山の見えるところに住める人はとても限られるようになった。私の家からもいまでは城山は見えなくなってしまった。
ケーブルテレビのシンポジウムの放送で都市工学者のKさんが学生に市内から城山の見える場所を探させたところ、いまでも城山が見えるところはほんのわずかしか残っていないことがわかったとわずかに城山が見えるところを市街地図上で印をつけて示していた。
私は仕事場への行き帰りに永木橋を通るが、この橋の上からは確かに城山がよく見える。そして今年も新緑の季節を迎えたことがわかる。
もう少しするとこの城山の木の葉からの強い匂いがして来るのが常である。と昨夜書いて今朝仕事場についたら、いつもの匂いなので何のような匂いかなと鼻をくんくんしたらまるでたけのこのような匂いである。昨日まではそういう強い匂いがしていなかったが、匂いがここまで拡散して来たのだろう。