先日の日独協会の講演の後の懇親会で女子学生が言っていたのがシャワートイレのことだった。日本の文化としてマンガがよく読まれているのは全世界共通のことだが、ドイツではマンガカ(漫画家)という新しい職業までもができているらしい。
ところでと、この女子学生は言う。ドイツ人がドイツの日本料理店に行って感激することの一つがシャワートイレだという。あるドイツ人が日本に来たのだが私のところにはシャワートイレがなかったので、あるデパートまで出向いて用を足し、感激していたという。
トートーだとかイナックスだとかのメーカーさん、ご自分たちの販路が洋々と開けていることをご存知なのだろうか。もちろん、ご存知でしょうね。
もっとも日本文化が以前は浮世絵、歌舞伎、能だとか普通の日本人があまり知らないものであったが、カラオケ文化を経て、最近はアニメ・マンガといったものになっている。これは少なくともヨーロッパ全体にいきわたっているらしい。その古い方の文化にも新しい文化にも疎いものとしては少々困惑を感じる。
「そんなものにしか日本文化はなかったの」ともいいたくはなるが、しかしインパクトを与えているのはそういうものだという。トヨタの車だとかホンダの車に乗って、日本のカメラで写真をとり、ソニーのテレビを見るのも一方の現実だろうが、どうもそういうものを越えた時代が来ている。
この間ドイツ語のクラスでドイツ語風にゾーニーと発音したら、ドイツではソーニーで通っていると先生のR氏に言われた。
湯川の中間子論とか朝永の超多時間理論にわくわくしたヨーロッパの若者の存在は半世紀以上の昔のこととなってしまった。