堤未果さんの「貧困大国アメリカ」という岩波新書が出されている。
昨日E大学の生協書籍部に行ったら、たまたま知り合いのW先生が来られていて数分話したときに近くにあったこの本のことを言われたので、購入して帰った。
まだ、はじめと終わりのところだけを読んだに過ぎないが、大資本のやることは昔から変わっていないという印象だ。
人間を使い捨てにして、貧困層を食い物にしてサブプライム問題が生じたという。、ヒスパニック、黒人といった低所得者層をターゲットにした収奪が行われてきたということらしい。
本来お金を貸してもその返済ができない人たちにお金を貸して10%または15%の高利で金を貸す。そんなあこぎな勧誘がなされていたのだ。そのからくりは住宅は値が上がり続けるという神話であった。そしてそのローンを証券化して売り、お金を手に入れた人がいる。
プライムとは優良顧客のことだという。サブプライムとは優良顧客に劣る人たちということになる。
しかし、その一方でアメリカ金融界、いや世界の金融界を揺るがす経済危機を引き起こしている。そしてそのアメリカの国家予算を投入してのこれらの金融機関の救済はその負担を結局は国民に押し付けることとなる。
大資本というのはどっちに転んでも損はしないようにできている。その負担は最後には国民一人ひとりが払わされる。これはいまのロシアもそういう風だからどこにも救い道はない。一人ひとりの大資本に対する不買運動等も含めた小さな対抗手段しか残されていないという。
貧困大国アメリカの現状はW先生も言うように明日の日本のことなのだろう。いやもうすでに日本もすでに同じことが起こっているのだ。それが格差社会として現れている。将来を悲観することはなはだしい。