To err is human, to forgive is divine. とは高校の英語の時間に習ったproverbだ。これは人間には過ちはつきものだという意味だろう。
市民コンサート(昔の労音)を聴きに行くようになってから、数年が過ぎた。いつも思うことは演奏者が演奏ミスをしないのかなと思っていたが、岩波のPR誌「図書」(10月号)にピアニストの青柳いずみこさんが書いているのを見てなるほどと思った。
それによると演奏者は小さなミスをするらしい。もっともそれはとても小さなミスで大多数の聴衆はもちろんのことプロの音楽家でもその曲のことをよく知らない限り気のつかないようなミスなのだそうだ。
ミスをしないという神話はないようである。これは人間なのだから仕方がない。もっとも誰でも気のつくようなミスはプロの演奏者はしないのだろうが。
私は音楽には疎いものの一人ではあるが、青柳いずみこさんのエッセイは音楽をめぐる小説というか文学の話なので毎号楽しみにして読んでいる。