午前中にたまたま「メメント モリ」というテレビ番組を見た。1954年に行われた水爆実験の被爆者である、マグロ漁の漁師たちがどうなったかを追跡した番組である。
その漁師たちは50歳から60歳半ばでほとんど亡くなっているという話である。それもガンで亡くなっている。そのことを調査している高知県の高校教師、山下正寿さんの話を交えながら、南海放送の独自取材もある。
その直後にアメリカ政府と日本政府の政策で実態調査はほとんど行われずまた記録が正式に残されていないという。漁師は補償金ももらっていない。マグロ漁の会社は補償金をわずかばかり受け取ったようだが。現代史の大きな空白の一つである。このマグロ漁の漁師の被災者の数は約1万人という。
福留丸の被曝の後で、水産庁の俊こつ丸が22名の科学者を乗せて海洋汚染の調査に出かけたが、その調査によれば太平洋はひどい汚染状態だったらしいが、一般に警告されることはなかった。
「メメント モリ」はラテン語でmemento moriと綴り、死の警告を意味すると英語の辞書に出ている。