これはSFの話ではなく大真面目な話としてもう20年以上も前にある地球・惑星学者から聞いた話である。
火星は炭酸ガスが多いので今すぐに人間が移住することはできない。それでまずロケットで植物を送り込む。多分コケの類を火星に送り込むといいだろう。
動物は酸素を吸って炭酸ガスを吐くが植物は炭酸同化作用で炭酸ガスを植物体内に取り込み酸素を出すからである。
また、火星の気温がもし人類が生存するにはまだかなり低いとしてもコケならこの低温にもたえられるであろう。そしてコケを火星で増やしていく。そうすれば、酸素がだんだん増えていく。
火星の大気の組成がだんだん変えられていくが、続いてもっとそのときの温度や大気組成にあう植物をまた送り込んでいく。そうして地球に似た大気に変えていく。
水があるかどうかはそのときに聞かなかったが、現在火星の地下に氷があるらしいといわれているので、火星の気温が上がってくると氷がとけて水を得ることが可能になってくる。
そういう風にして火星の大気の組成や気温を私たちの地球の気候に似てくれば、人間を火星に送り込んで移住することが可能になるという。
これは一つのシナリオにしか過ぎないが、地球、惑星・物理学者が大真面目に考えた火星への人類移住計画のあらすじである。
お金がかかってこんなことが実現することは実際にはできないと思うが、できそうな気がするところがみそであろうか。
火星移住計画が実現できそうだからといって、地球環境をどうでもいいと考えるのはもちろん間違っており、そういうことを考える人に地球の未来をまかせることはもちろんすべきではない。
宇宙船地球号といわれる、この地球の環境はきわめて人間の生活に適したものであり、これは実は何ものにも変えがたい貴重なものであるというのが現在の人類の共通の認識であろう。
上の火星への人類移住計画は単に一つのお話としてだけ聞いて欲しい。だが、そういう想像を働かせるのはまあ許されるだろうか。