あれほど早く終わって欲しいと願っていた仕事が終わってみると、なんだか空虚に感じる。
確かに自分のやっておきたい仕事ではなく、浮世の義理で仕方なくやっていた仕事ではあるが、この半年以上没頭してきたので、その空白を埋めるための気持ちを取り直すためにはしばらく時間がかかりそうだ。
昨日から物理学者、武谷三男の「業績リスト(第2版)」(注:『素粒子論研究』116-5 (2008.12)に掲載)の仕上げにとりかかっている。
これは基本的には作業が終わっている仕事ではあるが、見直しや手直しをしようというのである。新しい成果も盛り込まれている。
武谷は台北高校に在学中に貝類の化石の収集に台北大学の早坂先生とか丹先生と調査旅行に何回か出ている。そしてそれをまとめて論文にした。
この英訳は台北大学教授だった早坂先生がされたらしいが、それが1936年にその当時武谷が在学していた京都大学の専門家の校訂を経て、発表された。
これが武谷の処女論文である。日本の地学学会の雑誌に出たとばかり思っていたので、しきりに日本の地学学会の雑誌を調べてみたが、それにあたるものが見つからなかった。
英語でTaketaniと入れてあるときにgoogleで検索をしてみたら、台湾のある博物館か何かのところにその論文の題目が出ていた。
そのPDFファイルはパソコンに取り込めそうだったのに、自分では取り込めなかった。それでその関係者にメールを出してPDFファイルを送ってもらうように頼んだところ、Wu教授がそのPDFファイルを送ってくれた。Wu教授のご親切に感謝したい。
(注)「武谷三男博士の著作目録」の方は第4版が最新のものである。第2版までは冊子体の『素粒子論研究』に発表したが、第3版と第4版は『素粒子論研究』の電子版に掲載されている。
武谷三男博士については「武谷三男博士の業績リスト」と「武谷三男博士の著作目録」を私がつくっている。
「業績リスト」は第3版が最新であるが、「著作目録」の方はすでに第4版まで公表している。こちらの方は第5版を出す必要があることが判明しているのだが、まだその準備はしていない。
詳しくは検索をしてみてください。