若い高校生に聞くとこの頃はみんな電子辞書を使っているという。これはもうページを繰るという労力から解放されること、外国語の学習が辞書を引くことではないという状況を作り出したということで大いに歓迎されることである。
まだ電子辞書を私はもっていない。しかし、若いときに新聞で読んで知った、「辞書を引いたら、その語に赤線を入れた方がよい」というアドバイスをいまもって実行している。これは主に英語やドイツ語の辞書を引くときに行っている。電子辞書にはそういうことをすることができるのだろうか。多分いまのところそれはできないのではないか。将来的には以前にその語を検索したことを示すこともできるようになるだろう。
辞書に赤線を引くというのは以前にその語を引いたことがあれば、それを思い出すことにもなるし、第一たくさんある語の中で目立つことになるというのが、学習心理学上の利点である。私の英語の辞書ではまだ赤線が引いてある箇所は少ない。
これは英語の文を読むときにはほとんど辞書を引かないで、山勘で読むというのが普通であるからであるが、Dysonの「反抗としての科学(Science as rebel)」を読んだときは夜遅くに仕方なく辞書を引きながら読んだ。物理の書ならあまり使わないような凝った語が使われており、意味の見当が付かないことが多かったからである。現在ではこの本の翻訳がでているそうだが、まだ購入していない。