矢野健太郎著『大学入試問題予想法(数学)』(日本評論社)という本から、私のこのブログにたどり着いたという学生さんがいたが、どうして彼がそういう本に関心をもったのかわからない。
「大学の数学の先生は高校の授業の内容をよく知っているわけではなかろう。むしろ、いつも教えている大学の数学の中から高校の数学として解ける問題を探して、大学の試験問題に出題しているのではなかろうか」というのが、矢野先生が本を書いた意図というか趣旨であった。
そうだとすれば、大学の数学の教材の内容から高校数学で取り扱えそうなものを選ぶというのが大学の数学の先生の出題法ということになり、そういうテーマを探して提示するというのが矢野先生の大胆な入試問題予想法であった。
その後、これに似た考えの本はたくさん出されているが、その全部を見たことがあるわけではない。
そして、その考えを利用して私も物理の入試問題を出そうと心がけた。いまはもう定年になっているから、こういうことを告白してもまあ罪にはならないだろう。
何らかの問題意識があって、そこから入試問題を出されているらしいということは他の物理の先生の話からもある程度想像ができたが、先生方の経験はいろいろ多岐にわたっているから、それを受験生である、高校生が前もってすべて体験したり、予想したりするのはやはりできないと思われる。
地道に勉強してよく基本の原理とその応用例を理解しておくのが一番いい受験勉強になるという平凡なところに結局は落ち着きそうである。